マジックパンクTRPG

はじめに

ビズボード

 ここに掲載しているビズは“ビズボード”(ルールブックp.183)に公開されているビズの一例だ。

 これらのビズはシナリオに組み込んでもよいし、ビズ単独で遊んでもよい。

ビズ:救急要請

依頼者:聖域管理局

依頼内容:負傷者たちの診察と手当

報酬:[診た人数×20]Mj

達成条件:【知性】の判定の成功

推奨データ:《診断》《医術》

依頼文

管理局職員「X区のビルが倒壊し、多数の市民が負傷しています。このビズを見た方は即座に現場に急行し、負傷者の状態を把握後、迅速にデータを送信してください」

GM向けの解説

 ビルの倒壊により負傷した市民の状態を診察し、応急手当をしたのち、そのデータを送信することで救助活動に寄与するビズ。依頼文のXにはGMが妥当だと思う区の番号を入れること。
(たとえば治安の高い区はビルの倒壊など起こりづらいであろうし、8区で倒壊が起きても管理局が救助依頼を出すことはないと思われる)

 PCたちは偶然にも現場の近くにいてビズを受けた形になる。そのため〈M-Phone〉を所持しているPCのみ参加できる。また、他のPCへの「支援」や《短時遡行》などの使用はできないものとする。
 このビズは「フリー進行」で処理し、ビズを受けたPCには30分の時間が与えられる。応急手当の時間も含めて、5分につき1人を診ることができる(最大6回まで診ることができる)。

 参加したPCは【知性】判定を行い、成功することで1人ぶんの診察と応急手当を完了できる。このとき、《医術》を取得しているなら追加で1人、《医術M》の場合はさらに追加で1人ぶん完了できる。また、《診断》の呪文を使うことで判定不要で完了できたものとして扱う。
 つまり、《医術M》を持つPCが《診断》の呪文を使用した場合、判定不要で5分に3人ぶん――つまり30分の時間制限の中で、最大18人を診ることができる。
 そのほか、1分の時間をかけてダイスに+1個することもできる(6分かかるため、完了できる回数は最大5回となる)。

進行手順

  1. 日常生活を過ごしているPCの〈M-Phone〉に緊急のビズが通達される場面から開始。GM向けの解説に記載された内容をPCに伝える。
  2. 場面を切り替えて、倒壊したビルと負傷者たちの状態を演出し、PCに判定するよう促す。
  3. 30分経過後、PCが救助者たちから感謝される演出を入れたのち、報酬が振り込まれてビズを終了する。

ビズ:求む、交渉代理人

依頼者:GMの任意

依頼内容:別勢力との交渉

報酬:200Mj

達成条件:交渉ポイントを5にする

推奨データ:《洞察》《社交術》

依頼文

依頼主「交渉に自信があり、代理人を務められる人材を求む」

GM向けの解説

 何らかの組織に所属する者が発注した説得交渉のビズ。依頼者、および交渉対象はGMの任意で決めること。下記は一例である。

  1. >立てこもり犯との交渉をゲイリー・ガーランド(p.177)から依頼される。
  2. 裏社会の交渉を穏便に取りなすようマフィアのボスから依頼される。
  3. 取引先との交渉を成立させるために企業の社長から依頼される。

 このビズは1ピリオドのピリオド進行で処理する。PC人数が2人の場合、2ピリオドで処理すること。

【感覚】or【知性】判定を行い、成功時の出目に応じて“交渉ポイント”を獲得する。【感覚】判定には《洞察》の効果、【知性】判定には《社交術》の効果が適用される。また、1分の時間をかけてダイスに+1個することもできる。

 交渉ポイントが5に達すると交渉が完了する。1ピリオド以内に5に達しない場合、交渉は失敗し、報酬は得られない。

交渉ポイントの算出表
出目 交渉ポイント
失敗 0
2~5 1
6~10 2
11~15 3
16~20 4
ジャックポット 5

進行手順

  1. PCが依頼者から交渉の代理人を頼まれる場面から開始。
  2. 交渉相手を説得する場面に切り替えて、ピリオド進行を宣言し、GM向けの解説に記載された内容を説明する。
  3. PCたちに順番に判定してもらい、規定のピリオドが経過した段階で交渉ポイントが5以上であればビズ達成、5未満であればビズ不達成。
  4. 達成していれば報酬が支払われ、不達成であれば報酬はなし。結果に応じた演出をしてビズを終了する。

ビズ:ライブイベントへの協力をお願いします

依頼者:シェレトワレ

依頼内容:会場の警備/アクターの護衛

報酬:100Mj/200Mj

達成条件:ライブを無事に終える

推奨データ:【感覚】「評判」《防衛》

依頼文

マネージャー「8区でチャリティライブイベントを開くことになりました。協力をお願いします」

GM向けの解説

 ライブイベントが無事に終わることを目指すビズ。基本的には会場の警備につくが、「評判」が4以上あるか、もしくは《防衛》を取得しているPCは警備ではなく護衛を任される。報酬は1人につき警備で100Mj、護衛で200Mjとなる。

 このイベントはフリー進行であり、ライブイベントのトラブル表をPCごとに1回ずつ振り、出目に応じた内容を処理していく。
 厳密な時系列は決まっていないが、PCはバラバラの配置につくため、他のPCの判定に「支援」したり戦闘に駆けつけたりするには【感覚】判定に成功する必要がある。

ライブイベントのトラブル表
出目 内容
1~3 突然スラムの住人が暴動を引き起こした!/「暴動阻止判定/任意の能力値Ch5」で判定する。成功すると無事に阻止できるが、失敗するとライブ中止となり、全員の報酬が0になる。【知性】で判定する場合、評判によるChの減少が有効。
4~7 アクターに手を出そうとしている不届き者がいる!/「ギャング(P212)」1体と戦闘(シンプルモード)を行う。勝利した場合、無事に取り押さえることができる。敗北した場合、アクターのメンタルが崩れて全員の報酬が半減する。勝利したPCの中に護衛を担当する者がいた場合、〈アクターの特別なサイン色紙〉(重量1、100Mj相当)を獲得する。
8~13 ライブの機材を狙う不届きものがいる!/【身体】or【感覚】で判定を行う。成功すると機材を守れる。失敗すると機材の調達費用が発生し、全員の報酬が半減する。
14~17 どうやらライブイベントで迷子になった子供がいるようだ、助けてやろう。/子どもたちの笑顔が見られる(データ的な報酬はない)。
18~20 アクターとお近づきになる機会に恵まれる。/〈アクターの特別なサイン色紙〉(重量1、100Mj相当)を獲得する。

進行手順

  1. マネージャーから依頼の詳細内容を聞く場面から開始。GM向けの解説の内容を説明し、「ライブイベントのトラブル表」を提示する。
  2. フリー進行の開始を宣言し、PCにライブイベントのトラブル表の1D20を振らせる。
  3. 出目に応じた表の結果を適用する。
  4. 参加PC全員がそれぞれ表の処理を終えたら、マネージャーから結果に応じた報酬を配布してビズを終了する。

ビズ:優秀な家庭教師を探しています

依頼者:富裕層の夫婦

依頼内容:子どもの家庭教師

報酬:200Mj

達成条件:GMが指定した能力値の判定に成功

推奨データ:《社交術》

依頼文

依頼者「我が子の得意分野を伸ばすために、家庭教師をお願いしたいのです」

GM向けの解説

 親の権力を己の実力と勘違いして横柄な態度を取りがちな子どもに、家庭教師として指導するビズ。このビズは家庭教師である都合上、一度に1人のPCしか受けられない。

 このビズはフリー進行となる。GMはビズを提示する前に【身体】【感覚】【知性】【魔力】からいずれかひとつを選び、このビズの判定として指定する。参加PCが事前に分かっているならそのPCの得意な能力値に合わせても構わない。

 その後、依頼者の子どもを紹介した上で「無難に教える/Chなし」か「性根を叩き直す/Ch5」かを選ばせて、判定させる。《社交術》を取得していればその効果を適用できる。

 どちらを選んでも報酬は変わらないが、「性根を叩き直す」を選んで成功した場合、子どもは改心してPCに尊敬や淡い恋心などの感情を抱く。
 どちらの判定を選んだ場合も、判定に失敗すると報酬が半減した上で子どもから盛大にバカにされる。

 下記は子どもの演出例である。

女子「この間の先生はざこざこだったけど、お兄さん(お姉さん)はどうなのかなー?」
男子「あんたみたいなヤツにボクの先生が務まるなんて思えないけどね!」

 子どもは基本的には生意気なタイプを想定しているが、名前や年齢、性別、性格なども含めてGMが自由に設定してよい。

進行手順

  1. 依頼者の家で子どもの家庭教師を頼まれる場面から開始。
  2. 学習部屋で子どもと対面する場面に切り替え、煽りセリフなどを入れて子どもの生意気さを演出する。
  3. PCに「無難に教える/Chなし」か「性根を叩き直す/Ch5」かを選んでもらい、判定させる。
  4. 判定の結果に応じた演出を入れたのち、報酬を渡してビズを終了する。

ビズ:新型バイクのテスター募集

依頼者:ダイワ軍需工業

依頼内容:新型バイクのテスト

報酬:[判定成功時の出目×20]Mj

達成条件:「操縦判定」に成功する

推奨データ:《操縦術》

依頼文

ダイワの職人「ダイワの製品に妥協は許されねぇ。どんな乗りこなしにも対応できるくらいじゃなきゃいけねぇんだ」

GM向けの解説

「操縦判定/【感覚】」でより高い出目による成功を求められるビズ。《操縦術》がなくとも「操縦判定」は可能だが、高い出目のほうが報酬がよくなる都合上、【感覚】が高いだけでなく《操縦術》を持っているPCが有利である。
 また、「操縦判定」にジャックポットした場合、報酬が1.5倍になる。これは職人が感動してポケットマネーから追加の報酬を支払うからである。

 このビズはフリー進行で行う。募集人数は1人であるため、チームで受けても支払われる報酬は1人ぶんとなる。ただしチームで受けた場合、「操縦判定」を行うPCに対して「支援」や《短時遡行》などのサポートを行うことができる。

進行手順

  1. ダイワ軍需工業の走行テスト用エリアにPCが到着した場面から開始。
  2. PCに「操縦判定/【感覚】」に挑戦してもらい、その出目を記録する。
  3. [出目×20]Mj(ジャックポットならさらに1.5倍)をPCに支払い、ビズを終了する。

ビズ:異常な魔物の群れの調査

依頼者:聖域軍

依頼内容:偵察による情報収集

報酬:200Mj

達成条件:【感覚】or【知性】の判定に成功

推奨データ:《博識》《隠密》

依頼文

聖域軍「野外で異常な反応を示す魔物の群れが確認された。調査し、情報を持ち帰ってもらいたい」

GM向けの解説

 聖域軍が出した魔物調査のビズ。あくまでも調査であり戦闘は発生しない。正確には戦闘になる前に撤退することになる。

 このビズは1ピリオドのピリオド進行で処理し、PCは【感覚】or【知性】の判定に挑戦する。失敗で0Mj、成功で200Mj、ジャックポットで400Mjの報酬に相当する情報量を得る。
 また、【感覚】判定は《隠密》、【知性】判定は《博識》を取得していることで、ダイスをそれぞれNで+1個、Eで+2個、Mで+3個することができる。

進行手順

  1. 10区にあるマルクト要塞門付近のゲートにPCたちが集合した場面から開始。
  2. 士官からビズに関する説明をしたのち、ピリオド進行を開始する。
  3. 場面を野外に切り替えて、GM向けの解説に記載された判定を行わせる。
  4. 判定後、場面を要塞門付近のゲートに切り替えて、結果に応じた演出と報酬の支払いを士官にさせてビズを終了する。

ビズ:対テロリスト想定訓練

依頼者:聖域軍

依頼内容:戦闘演習

報酬:200Mj

達成条件:聖域軍兵士に勝利

必要データ:なし

依頼文

聖域軍「テロリストとの戦闘を想定した対人訓練を行うため、実戦経験を持つ者を募集する」

GM向けの解説

 対テロリストを想定した戦闘訓練のため、聖域軍の士官が出したビズ。10区にある聖域軍の訓練場にて行われる。参加PCと同数の「聖域軍兵士」(p.213)との戦闘が発生し、勝利しても敗北しても[PC人数×200]Mjの報酬を獲得する。

 また、このビズでは戦闘訓練を始める前に聖域軍に所属する呪奏士が全員に《死の回避》を使用する。生命力が0以下になるようなダメージを受けて《死の回避》が発動した場合、そのPCおよび聖域軍兵士は戦場から取り除かれる。

 ほか、バトルのモードは「マップモード」を推奨するが、「シンプルモード」でも構わない。「マップモード」の場合、初期配置はGMが決定すること。

進行手順

  1. 10区にある聖域軍基地の訓練場にPCたちが集合した場面から開始。
  2. 士官や兵士との挨拶後、戦闘前に使用して維持したい呪文やMa-GEAR効果などの準備をする。
  3. 聖域軍の呪奏士が「呪奏」オプションを使用し、全員に《死の回避》の呪文を使用する。
  4. バトルの処理を行う。
  5. バトル終了後、勝敗に応じた演出を入れたのち、報酬を渡してビズを終了する。

ビズ:未踏破区域の遺跡探索

依頼者:聖域管理局

依頼内容:遺物の回収

報酬:[回収重量×20]Mjをチームで分配

達成条件:遺物を持ち帰る

推奨データ:【移動値】や【荷重値】にまつわる効果、「光明」にまつわる効果、《座標記録》、《言語理解》、《重装》、《魔煌探知》、《念動》

依頼文

管理局職員「遺跡の未踏破区域を調査し、マッピングしながら可能なかぎり多くの遺物を回収してください。魔物を討伐した際の魔石や、探索時に発見した既知の素材は持ち帰っていただいて構いません」

GM向けの解説

 調査許可が降りた遺跡を探索し、可能なかぎり遺物を回収するビズ。未踏破区域がある遺跡なので、魔物や罠などの仕掛けが出現する可能性がある。
 このビズはフリー進行で処理し、特殊な処理を行う。具体的な処理は下記を参照。

 まずは「マッピング/【感覚】判定:Ch10」を行い、成否に応じた探索ポイント(【移動値】を元に算出)を得る。《暗視》や〈アウルライト〉など、「光明」として扱ったり、「光明」にする効果があればチャレンジは0となる。

マッピングによる探索ポイント
判定結果 探索ポイント
バッドビート [【移動値】÷8]
失敗 [【移動値】÷4]
成功 [【移動値】÷2]
ジャックボット 【移動値】

 探索ポイントを算出したあと、それを1消費するごとに遺跡探索表を振って記載の処理を適用する。《座標記録》の呪文を使用した場合、安全に引き返して別のルートを探る演出を入れたのち、遺跡探索表を振り直すことができる。そのほか、探索ポイントを1消費して「魔煌集束」を1回してもよい。

 チームでビズを受けている場合、互いに魔導スロットを1占有して〈M-Phone〉を準備しているならいつでも連絡を取り合えるものとする。このとき、自分の探索ポイントを1消費することで下記の行動が行える。

  • 他のPCの「探索判定」に「支援」する
  • 《短時遡行》など他のPCに使用できる効果を使用する
  • 他のPCが獲得した遺物を代わりに持ち運ぶ
  • 他PCの代わりに自分が戦闘に参加する(任意のラウンドの終了時に参加する)
  • その他、GMが妥当であると判断した内容
遺跡探索表
出目 内容
1~3 探索の途中だがミュータントだ!/「探索判定」の代わりに「クリーパー(p.218)」1体とのバトルが発生する。
4~7 まずい、遺跡の仕掛けだ!/任意の能力値で判定し、成功すると仕掛けをやり過ごせる。失敗すると行動ポイントを1余分に消費する。それとは別に「探索判定」が可能で、成功すると[【身体】÷5]の重量の遺物を獲得する。
8~13 碑文らしきものを発見する。/「探索判定」に成功すると[【身体】÷4]の重量の遺物を獲得する。また、《言語理解》の呪文を使用することで200Mjの報酬に相当する情報を手に入れる。
14~17 祭具などを保管していた空間らしい。歴史的価値がありそうだ。/「探索判定」に成功すると[【身体】÷3]の重量の遺物を獲得する。
18~20 こ、これは、宝物庫だ……!/「探索判定」に成功すると[【身体】÷3]の重量の遺物を獲得し、〈魔煌銀〉を[【身体】÷5]個獲得する。

 「探索判定」は基本的には【身体】を用いて行い、重量が「中荷」の場合はチャレンジ4、「重荷」の場合はチャレンジ6が追加される。
 ほか、取得データに応じて以下のボーナスを得る。

《重装》:「探索判定」のチャレンジをNで-1、E-2、Mで-4する。
《魔煌探知》:使用することで「探索判定」にダイス修正+1個を得る
《念動》:使用することで「探索判定」を【魔力】で行えるようになり、獲得時の[【身体】÷◯]が[【魔力】÷◯]になる。

 探索ポイントが0になったら帰還し、遺物の[回収重量×20]Mjの報酬を分配すること。

 なお、遺跡に入る前に《英雄の疾駆》や《英雄の剛力》などを「呪奏」のオプションで使用し、維持しておくことは可能である。その他の【移動値】や【荷重値】に関わる効果の適用をプレイヤーが提案した場合、GMは何らかのボーナスを与えてもよい。

進行手順

  1. 野外の遺跡入口にPCたちが集合した場面から開始。《英雄の疾駆》など事前にかけて維持したい呪文はここで使用する。
  2. 遺跡に入る演出を入れたあと、「マッピング判定」を行わせて探索ポイントを決定する。
  3. 探索ポイントの数だけ「探索判定」を行わせる。
  4. 全PCが探索ポイントを消費し終えたら獲得した遺物の重量を算出。遺跡から帰還する演出を入れて、遺物の重量に応じた報酬を分配してビズを終了する。

ビズ:管理区域での魔石採掘

依頼者:聖域管理局

依頼内容:魔石採掘

報酬:出来高制

達成条件:魔石札を換金する

推奨データ:《魔煌探知》《掘削》《掘削術》

依頼文

管理局職員「都市が管理する採掘場にて魔石を回収し、提出してください」

GM向けの解説

 都市が管理する採掘場にて魔石採掘を行うビズ。ビズを受ける際に就業管理料200Mjを支払う必要があるが、獲得した魔石は正規の換金値で買い取ってもらえる。なお、管理された採掘場であるため魔物は出現しない。

 このビズは4ピリオド(1ピリオド約2時間)のピリオド進行で行う。各ピリオドの1行動内で可能な処理は決まっており、下記の手順を経る。

  1. 「判定:発見/【感覚】」を行う。失敗すると行動は終了となる。
  2. 「判定:発見」の成功後、採掘ポイント決定表を使い、採掘ポイントを決定する。
  3. 決定した採掘ポイントに対し、「判定:採掘/【身体】」を行う。失敗すると行動終了し、成功すると魔石札を1枚引く。

 上記②~③を4ピリオドぶん繰り返すことになるが、チーム(複数人)でビズを受けている場合、①を放棄して他PCの①に「支援」を、②を放棄して他PCの②に「支援」を行える。放棄を選択したPCはその時点で行動終了となる。

 また、「判定:発見」と「判定:採掘」のどちらも1時間に満たないので、時間をかけて得られるダイス修正は+1個とする。ほか、《魔煌探知》の呪文があれば「判定:発見」に、《掘削》の呪文があれば「判定:採掘」に、《掘削術》のスキルがあれば両方にそれぞれダイス修正+1個を得る。
(例:《魔煌探知》と《掘削術N》があり、1分時間をかけると「判定:発見」を4D20、「判定:採掘」を3D20で振ることができる)

 全員が独力で「判定:発見」と「判定:採掘」の両方をこなせるチームであればより多くの魔石を獲得できるが、成功する自信のないPCは自分が判定する代わりに他のPCを「支援」するのもよいだろう。

 なお、魔石札を換金せず呪文のコスト用に残しておきたいPCがいる場合、チーム全員の合意があれば魔石札のまま持ち帰ることが可能である。

 ほか、「判定:採掘」でジャックポットが出たときに発生する《掘削術》の効果を忘れないよう注意すること。

採掘ポイント決定表
出目 内容
1~3 嬉しいけどそうじゃない……。/このポイントで「判定:採掘」に成功すると魔石札を引く代わりに〈合金〉を[【身体】÷5]個獲得する。
4~12 可もなく不可もない鉱脈だった。/このポイントで特殊な効果は発生しない。
13~17 ここは掘りやすいらしい。/このポイントで「判定:採掘」判定に失敗したとき、一度だけ振り直すことができる。
18~19 手強いが、良い魔石が眠っていそうだ。/「判定:採掘」にチャレンジ5がつく代わりに、成功すると魔石札を2枚見て好きなほうを獲得する(選ばなかった魔石札は捨て札になる)
20 最高の鉱脈だ!/このポイントで「判定:採掘」に成功すると魔石札を追加で1枚引く。

進行手順

  1. PCたちが採掘場に集合する場面から開始。受付で200Mjを支払ってもらう。
  2. GM向けの解説の内容を説明したあと、ピリオド進行の開始を宣言する。
  3. PCたちに4ピリオドぶんの行動を処理してもらう。
  4. ピリオド終了後、受付に場面を切り替えて、獲得した魔石札に応じた報酬をPCに配布。分配してもらってビズを終了する。

ビズ:魔物討伐

依頼者:聖域軍

依頼内容:魔物の討伐

報酬:[討伐数×20]Mj

達成条件:ランダムに出現する魔物を討伐する

推奨データ:なし

依頼文

聖域軍「いつもの魔物討伐依頼だ。討伐時の魔石や素材などは自由に持ち帰って構わない」

GM向けの解説

オーソドックスな魔物討伐を行うビズ。ひとりあたり[討伐数×20]Mjと報酬は安いが、討伐時の魔石やドロップ品を全て持ち帰ることができるため人気の高いビズである。

このビズはフリー進行で処理する。GMがランダム「魔物出現表」を1回振り、出目に記載された魔物とPCのバトルを行う。「環境」(p.68)は基本的に「温暖/平地/晴天/無風/光明」(いずれもデータ的な影響なし)として扱うが、GMが『マジックパンク』の処理に慣れているなら「環境」から任意もしくはランダムに決定して構わない。

バトルのモードは「マップモード」を推奨するが、「シンプルモード」でも構わない。「マップモード」の場合、初期配置はGMが決定すること。

そのほか、このビズでは下記に記載した特殊な処理が行える。

  • 魔物の生命力が0になったあと、隣接マスにいるPCは主要アクションで重量が許すかぎり魔石およびドロップ品を回収できる。
  • ラウンド終了時に「撤退」を宣言できる。「撤退」を宣言すると、「拘束」(p.62)および「気絶」(p.61)を受けていないPCは戦闘から離脱し、聖域都市に帰還できる。

勝てそうにない場合、倒したぶんの魔石とドロップ品だけ回収して逃げることも選択肢に入るだろう。

進行手順

  1. 10区にあるマルクト要塞門付近のゲートにPCたちが集合した場面から開始。
  2. 士官からGM向けの解説の内容を説明し、野外に送り出す。
  3. フリー進行を宣言し、GMがランダム魔物出現表を1回振る。
  4. 戦闘を行い、戦闘に勝利するか気絶していないPCが全員「撤退」したら、魔石の換金やドロップの確認、[討伐数×20]Mjの報酬を配布してビズを終了する。
ランダム魔物出現表
出目 出現シチュエーション 出現魔物
1 醜悪な植物が触手を伸ばしてきた。 クリーパー×[PC人数+1]
2 異形と化した犬がよだれを垂らして襲ってきた。 ブラックドッグ×[PC人数+1]
3 凶悪な進化を遂げた禿鷲が威嚇するように鳴く。 グロウヴァルチャー×[PC人数+1]
4 歩く死体たちが不気味に近づいてくる。 グール×[PC人数+1]
5 彷徨う霊が嘆き苦しんでいる。 スクリームホロウ×[PC人数+1]
6 巨大化した兵隊アリの群れと遭遇する。 フォルミカワーカー×[PC人数+1]
7 魔物化した禿鷲たちが半人半鳥の美女を讃えるように飛んでいる。 ソングバード×1 │ グロウヴァルチャー×[PC人数]
8 人型のトカゲが武器を手に喚いている。 レプティリアン×[PC人数]
9 魔煌の影響で凶暴化した大樹が、異形の植物たちを従えている。 トレント×1 │ クリーパー×[PC人数]
10 多数の苦悶の顔を持つ巨大なホロウ、その全ての顔がギョロリと目を向けてきた。 コクーンホロウ×[PC人数-1(最低1、最大2)]
11 変異した蛙の群れが、巨大な羽つき蟻の魔物に運ばれている。 フォルミカ・ソルジャー×[PC人数] │ アウルリーチ×1
12 半人半鳥のフクロウが、変異した蛙の群れを食べようとしていた。 ナイトアイ×[PC人数] │ アウルリーチ×1
13 人間の上半身を持つ蜘蛛型の魔物が、人型トカゲたちに奉仕させている。 アラクネ×1 │ レプティリアン×[PC人数-1]
14 変異した蛙の群れが巨大なサソリと戯れていた。 デスクリムゾン×[PC人数-1(最低1、最大2)] │ アウルリーチ×1
15 恐るべき狩猟者の拠点では、変異した蛙の群れが飼われていた。 プレデター×[PC人数-2(最低1、最大2)] │ アウルリーチ×1
16 炎を纏った異形の魔狼が、王の如く魔犬たちを引き連れている。 ヘルハウンド×1体 │ ブラックドッグ×[PC人数]
17 さまざまな獣の特徴を持つ魔獣が、恐怖で魔犬たちを支配している。 キメラ×1 │ ブラックドッグ×[PC人数-1(最低1)]
18 巣を追われでもしたのだろうか、移動中の巨大な女王蟻と遭遇した。 フォルミカクイーン×1 │ フォルミカワーカー×[PC人数]
19 ホロウの大群のお出ましだ。広範囲攻撃の準備は十分か? リードホロウ×1 │ スクリームホロウ×[PC人数]
20 極彩色の怪鳥は倒せずとも、餌と思しき変異蛙の大群が宿す魔石は回収したいが……。 スカイルーラー×1 │ アウルリーチ×3

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