はじめに
『マジックパンクTRPG』を遊ぶうえで、誰でも使用できる追加ルールをいくつか紹介する。
追加ルールは、ゲームのプレイ環境を改善してより楽しくプレイするためのものだが、ルールや処理を増やすことで覚えることが多くなる。
上記を踏まえて、GMはそれぞれの追加ルールについて、採用するかどうかを自由に決定してよい。
このルールは、長時間の睡眠や時間経過によって内包している魔煌(つまり魔煌札)を循環させ、特定の札を保持し続けることを防ぐためのものである。
特定のキャラクターがAやJOKERなどの枚数の限られた強力なカードを保持し続けることでカードの循環が停滞することを望まない場合に、このルールを採用すること。ルールをなるべく少なくする(『ルールブック』掲載のルールのみで運用する)ことが望ましいプレイ環境でない限り、採用を推奨する。
体内の魔煌はある程度意識的に保持していなければ循環してしまう。
1時間以上の睡眠をとった時点で、キャラクターが保持している魔煌札をすべて捨て札にし、捨てた枚数と同じ枚数を山札から引いて手札にする。
魔煌は“添え星”の巡りに少なからぬ影響を受けており、“添え星”の周期によって魔煌の循環が発生する。
〈Aバッテリー〉などの効果でアイテムに保持している魔煌札は、夜明けを迎えた時点ですべて捨て札にし、捨てた枚数と同じ枚数を山札から引いて手札にする。
キャラクターが魔煌災害などの高濃度の魔煌や激しい魔煌の乱れにさらされた場合、保持している魔煌が強制的に循環する可能性がある。
GMは特殊な状況において、キャラクターやアイテムが保持している魔煌札の一部またはすべてを捨て札にし、捨てた枚数と同じ枚数を山札から引いて手札にすることを指示してよい。一部を捨て札にする場合、ランダムに手札を選択するか、プレイヤーまたはGMが任意に選択するか、方法は状況に合わせて自由に設定してよい。
この特殊な状況による処理は、保持している魔煌札を過度に乱し、プレイヤーにとって理不尽な不利益を与えることを目的としていない。合理的な理由と適切な頻度でこの処理を用いること。
このルールは、休息をシナリオ中に組み込んだり提案したりしやすいようにパッケージ化したものである。
休息をとる時間に合わせて3段階のパッケージを用意しているが、これらの内容を変更・アレンジしてもよい。
所要時間:10分
所要時間:1時間
所要時間:8時間
このルールは、バトルに入る前の作戦会議や事前準備をシナリオ中に組み込んだり提案したりしやすいようにパッケージ化したものである。
ブリーフィングにとれる時間に合わせて3段階のパッケージを用意しているが、これらの内容を変更・アレンジしてもよい。
ごく短い時間のブリーフィング。
エネミーとのバトル開始前の短い会話の隙に準備する、戦場に突入するまでのごくわずかな時間の猶予があるなどのシチュエーションで使用できる。
10秒後にはバトルに突入するため、事前の打ち合わせをする時間はない。
エネミーがPCの存在に気づいている場合、エネミーもPCと同様の準備を行う権利がある。
PCはそれぞれ下記のいずれかを1回行える。
一触即発の状況で行うブリーフィング。
束の間の膠着状態か、間もなくエネミーに気づかれるが多少の猶予があるなどのシチュエーションで使用できる。
1分後にはバトルに突入するため、事前に簡単な打ち合わせをすることは可能。
エネミーがPCの存在に気づいている場合、エネミーもPCと同様の準備を行う権利がある。
PCはそれぞれ下記のいずれかを合計で6回まで行える。
バトルまでに十分な時間をとれる状況で行うブリーフィング。
PCの到着をエネミーが待ち構えているか、PC側が一方的にエネミーを発見しているなどのシチュエーションで使用できる。
PC側がバトルを仕掛けるまで状況は動かないため、十分な打ち合わせをすることが可能。
エネミーがPCの存在に気づいている場合、エネミーもPCと同様の準備を行う権利がある。
PCは下記を望む回数だけ行える。
このルールは“緊急的に身を挺して誰かを護りたい”というプレイヤーからの要望があった際に採用するとよい。
対応アクションとして、使用者から1エリア以内のキャラクターに行われた攻撃の「ダメージの算出」の直前に宣言する。その攻撃の効果およびそれに付帯する効果すべてを使用者が代わりに受ける。
その後、使用者がまだターンを開始していなければ「行動済」になり、すでに「行動済」であれば次のラウンドの開始で「未行動」にならない(つまり「行動済」のままとなる)。
攻撃を行う際に、攻撃の対象を過度に傷つけないために“手加減”することを選択できる。
“手加減”の宣言は攻撃判定の直前に行うが、アクションは消費しない。
“手加減”を宣言した攻撃によって与えるダメージでは、攻撃の対象の【HP】の現在値は0未満にならない。
Ma-GEARのアイテムは、魔導スロットの占有を満たせない状態でも準備することができる。
魔導スロットの占有を満たせない状態で準備したアイテムは「Ma-GEAR効果」を一切使用できないが、ベースアイテムの効果は使用することができる。
ベースアイテムに効果が存在しない(装飾やデバイスなど)Ma-GEARは、準備はできるものの何も効果がないことになる。
アイテムを取得する際に、そのアイテムの希少度を考慮して、取得のための【知性】判定(以後、調達判定と呼ぶ)を行わせてもよい。
このルールはアイテムの取得を過度に制限するために使用することを意図していない。“手に入るかが未知数”な状況に限定して運用することを推奨する。
アイテムの調達に判定を要求された場合、【知性】判定を行う。
アイテムの調達は少なくとも1分の時間がかかる行為であるため、自動的に判定のダイスが+1個されるが、時間をかけることによるダイスの修正は+2個までとなる。また、この判定は社交や交渉を行うための判定として扱うため、「評判」の値が判定に付くチャレンジ値に影響する。
アイテムの調達の難しさを「希少度」の値で表す。
「希少度」はアイテムの品質や価格によって評価され、「希少度決定表」の条件に当てはまる項目の数値をすべて合計した値となる。
数値の合計が0以下である場合、調達判定は発生しない。数値の合計が1以上の場合は調達判定が発生し、その数値ぶんのチャレンジ値が判定に追加される。
| 条件 | 希少度 |
|---|---|
| 素材パーツが〈鋼〉〈堅木〉〈合成繊維〉〈獣革〉 | 0 |
| 素材パーツが〈合金〉〈重黒鉄〉〈魔樹木〉〈魔獣革〉〈合成樹脂〉〈強化結晶〉 | 1 |
| 素材パーツが〈魔銀糸〉〈魔殻〉 | 2 |
| 素材パーツが〈魔煌銀〉 | 3 |
| クオリティが「粗悪」 | -1 |
| クオリティが「標準」 | 0 |
| クオリティが「上質」 | 1 |
| クオリティが「傑作」 | 3 |
| クオリティが「伝説」 | 5 |
| デザインが「銘」「美麗」 | 1 |
| デザインが「絢爛」 | 2 |
| Ma-GEAR | Ma-GEARパーツの価格の合計÷500 |
| 乗物 | 乗物の価格÷2000 |
| 状況による修正 | ±n(nの値はGMが任意に決定する) |
ライフスタイルを決定する際に、同意した2人以上のPCがひとつの住居に同居することを選択してもよい。
同居する場合、生活データを決定する際に同居するPCのプレイヤー同士で相談して以下の処理を行うこと。
「地域」「住居」「設備」は同居するPCで共有する。
「生業」「活動」については、同居していたとしてもそれぞれのPCで個別に処理を行う。
「地域」は同居するPC全員が同じデータを選択しなければならない。
「地域」の取得に使用する生活ポイントは、同居するPCがそれぞれ支払う必要がある。
「住居」は同居するPC全員が同じデータを選択しなければならない。また、共有できない住居(後述)は選択できない。
「住居」の取得に使用する生活ポイントは、基本的には同居するPCで頭割りしてなるべく均等に負担し、合計が必要な生活ポイントの値になるようにする。ただし、同居するPC全員の同意があれば、不均等にしてもよい。
共有できない住居:〔学生寮〕〔孤児院〕〔修道院〕〔兵舎〕
「設備」は通常のルールに従って設置できるが、設備によっては共用できるもの、できないものがある。
余暇イベント表は通常のルールに従って同居するPCがそれぞれ振るが、イベントによっては全員に影響を及ぼす。
余暇イベント表にあるイベントのうち、下表にあるイベントは同居するPC全員に影響を及ぼす。
同居するPC全員に影響を及ぼすイベントは同じ余暇では重複しない。もし同じイベントが出た場合は、「治安」による出目の増減を行って別の結果にしなければならない。別の結果にすることが不可能な場合は、出目の低いほうに最も近い出目のイベントになる。
このイベントでさらにダイスを振って結果を求める場合は、それぞれのPCがダイスを振って結果を適用すること。
| 出目 | イベント |
|---|---|
| 2 | 家の様子がおかしい。何か大切なものがなくなっているような……。 |
| 3 | 居住地域で凶悪事件が発生し住居が破壊される。 |
| 4 | 空き巣に入られ、大きな経済的損害を被る。 |
| 7 | 空き巣に入られたが、被害は少なかった。 |
| 10 | 最近、居住地域で犯罪率が増加しているようだ。 |
| 13 | 行政から区画整理のための立ち退きを言い渡された。 |
| 15 | 最近、居住地域での犯罪率が低下しているようだ。 |
| 出目 | イベント |
|---|---|
| 1 | 魔物のスタンピードに遭遇した。残念ながら、このだだっ広い野外に逃げ場などない。 |
| 2 | 突如として魔煌災害が発生した。 |
| 3 | 魔物のスタンピードが遠巻きに見えた。今ならまだ助かるかもしれない。 |
| 4 | 突如として魔煌災害が発生した。 |
| 5 | 資源が底を尽きた。 |
| 6 | 突如として魔煌災害が発生した。 |
| 7 | レイダーズの襲撃に遭う。 |
| 8 | 魔煌災害の影響で環境が著しく悪化した。 |
| 11 | 追放者の野営地に行き着いた。あるいは新たな追放者が野営地にやってきた。 |
| 13 | 追放者の集落に行き着いた。あるいは新たな追放者が集落にやってきた。 |
このルールは、何らかの事情でキャラクターのデータを再構築したい場合に採用するとよい。
『マジックパンクTRPG』では、プレイを通じてPCが経た経験の結果として獲得したデータを重視しているため、安易なキャラクターのリビルドは推奨しない。
なお、ライフスタイルについては余暇(『ルールブック』p.50)が発生するたびに変更を行う機会があるため、リビルドのルールには含まない。
PCのリビルドによって発生するキャラクター性の変化に、どう理由を付けるかを考えることはとても重要である。
リビルド前後のキャラクター性の整合性に違和感を持ったままプレイすれば、PCに対するプレイヤーの没入感が損なわれてしまう恐れがあるからだ。
理由付けをするにせよしないにせよ、割り切る・折り合いをつけるなどして納得したうえでプレイに臨んでほしい。
シナリオを通じたPCの変化によってリビルドを行うことになった場合は、データの変化について理由付けをすることはそれほど難しくないだろう。その理由はこれまでのプレイの中にあり、それを受け入れてGMやほかのプレイヤーと相談しながらリビルドの処理を行えばよい。
しかし、プレイ環境が変化したことでリビルドを行うことになった場合は、データの変化について理由付けをすることが難しい。それは、これまでのシナリオでの経験や流れとは無関係な事情でデータを変更することになるからだ。
そのような場合は、思い切って“理由付けを諦める”ことを選択するのもよいだろう。PCを“これまでもリビルド後のデータであった”かのように扱い、その後のプレイに臨むのだ。この方法も、プレイを円滑に進めるための賢いやり方のひとつであることは間違いない。
能力値の著しい変化は、同時にPCのキャラクター性にも大きな変化をもたらすことになるため、十分に配慮してリビルドを行ってほしい。
能力値の値を変更するための処理を下記に示す。
【身体】【感覚】【知性】【魔力】の値をすべて合計し、能力値ポイントにする。
GMが許可するならば、40点(初期作成時点での値)を上回っている値の一部またはすべてをスキルの修得に変更してもよい。また、上回っている値の一部またはすべてを、1点につき1,000Mjの所持金に変換してもよい。
能力値ポイントのうち40点を各能力値に割り振る。この段階では、能力値の最低値(【身体】【感覚】【知性】は4、【魔力】は0。「未熟な能力値」を採用することも可能)および最大値(各能力値15)の範囲に収まるように割り振ること。
その後、40点を上回っていた残りの能力値ポイントを好きな能力値に割り振る。ただし、各能力値に割り振れるのは最大で5点までとなる。
スキルの変化は、同時にPCの経験の面にも影響するほか、キャラクターデータの役割の方向性が変わる可能性もあるため、チーム内での役割についてほかのプレイヤーと相談しながらリビルドを行ってほしい。
修得するスキルを変更するための処理を下記に示す。
現在修得しているすべてのスキルを未修得にし、未修得にしたスキルの修得回数(それぞれのスキルにつきノーヴィスで1回ぶん、エキスパートで2回ぶん、マスターで3回ぶん)を算出する。
GMが許可するならば、この時点で5回ぶん(初期作成時点での回数)を上回っている回数について、その一部またはすべてを能力値ポイントに変換(修得回数1回→能力値ポイント1点)してもよい。また、上回っている回数の一部またはすべてを、1回ぶんにつき1,000Mjの所持金に変換してもよい。
①で算出したスキルの修得回数だけスキルを修得する。
アイテムは購入と売却によって所持の状況が流動的であるため、リビルドにおいては扱いが難しい。
なるべく公正になるように所持金の払い戻しと再購入を行う手順を紹介するが、この処理にキャラクターの整合性を持たせるための理由付けを行うのは諦めたほうがよい。
購入したアイテムを変更するための処理を下記に示す。
現在所持しているアイテムをすべて消去する。
購入や売却の履歴を追うことは複雑かつ困難であるため、ここではこれまでの売買については考えないものとする。
PCがこれまで取得した所持金の金額を算出(A+B-C)した後、払い戻す。
A:初期作成の時点で取得した所持金
B:これまでのシナリオで取得した所持金
C:呪文の修得に消費した所持金(呪文の修得のみに使用できるMjを除く)
②で算出した所持金のうち、初期作成で取得した所持金でアイテムを購入する。その後、残りの金額でアイテムを購入する。
GMが望むならば、②で算出した所持金すべてで(初期作成を考慮せずに)アイテムの購入を行うことにしてもよい。
なお、再購入の際に所持金をすべて使い切る必要はない。
修得している呪文はPCを魔術師たらしめる要素であり、特に高い階梯の呪文を修めている魔術師にとっては社会的ステータスにも結びつく。
また、キャラクターデータとしての役割にも大きく関わる要素であるため、チーム内での役割についてほかのプレイヤーと相談しながらリビルドを行ってほしい。
修得した呪文を変更するための処理を下記に示す。
現在修得している呪文をすべて未修得にし、未修得にした呪文を修得するために費やしていた所持金を払い戻す。
何らかの理由で無料で修得した呪文がある場合も、修得のために所持金を消費したものとして払い戻しの処理を行うこと。
払い戻した所持金を消費して呪文を修得することができる。
呪文を修得する際は、通常のルールと同様に各門ごとに第1階梯から順番に修得していかなければならない。
呪文の修得にのみ使用できる所持金があれば、そちらから優先的に使用して呪文を修得するとよい。
払い戻された“呪文を修得するために費やしていた通常の所持金”については、呪文の修得に使用してもよいし、ほかの用途に充ててもよいし、使用せずに残しておいてもよい。