虚構侵蝕TRPG

ルールブック

観測者テンプレート

はい とく 救世主 メシア

「しかたねぇな、また救ってやる」

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自分には異能の力があると信じ、自分が特別だと信じ、ゆえに弱き人々を救う義務があると信じた者。
信じたものはすべて叶った。虚構のなかで。
手に入れた異能の力は“主の命”を吸いながらも、人々の命を救い、人々の現実を救った。
以降は奇抜な恰好をし、外見からは性別も年齢も判断がつかないようにしている。
人から外れ俯瞰する立場にいなければ、人を救うことはできないからだ。
しかし、それは己の心を護るための防御手段でもある。人々は外見に気を取られ、その奥にある感情や気持ちの変化には気づかない。
抱える闇にも気づくことはない。
データ解説
「背徳の救世主」は、高い【身体】を活かした近接攻撃を得意とする観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では、専門技能の〈VER-TH※〉〈虚構侵蝕※〉を組み合わせられることも多く、安定して2個以上のダイスで判定が可能となる。
アクションシーンでエネミーと戦闘を行なう際には、〔中型刃物〕による攻撃で比較さらに、《限界突破》を使用することでダメージを大幅に増加させることもできる。ただし、使用するたびに侵蝕度の増加だけでなく、【HP】の現在値も減少してしまうので注意が必要だ。

きょ こう かん しゃ

「二度と見逃さない。俺が生きているあいだは」

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虚構の脅威を、身をもって知った者。
それが再び自身や愛する人に及ばぬよう、監視を続けている。人々の噂や、ネットの陰に隠れた虚構も逃すことはない。
些細な痕跡から情報を引き出し、紡ぎ、虚構へとたどり着く。そのために鍛えられた技術と研ぎ澄まされた感覚は、猟犬のように獲物を追い詰めていく。
彼はやがて多くの虚構を監視しするようになり、時には喰らいつき、叩き潰してきた。
だが、彼は気付いている。
怪物と闘う者は、その過程で自分自身も怪物になることがあることを。深淵を覗き、深淵に覗かれていることを。
データ解説
「虚構の監視者」は、平均して高い能力値を持つ幅広い活躍が望める観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では基礎技能の〈調査〉を用いることが多く、専門技能の〈VER-TH※〉〈虚構侵蝕※〉の組み合せができる機会が多いのも相まって、〈調査〉判定では安定して3個のダイスで判定が可能となる。
アクションシーンでアクションシーンでエネミーと戦闘を行なう際には、〔散弾銃〕で比較的高いダメージを与えることができる。
望むなら、〔嗜好品〕の効果で[高揚]を得ることで、より攻撃的な立ち回りをしてもよいだろう。

せい じょ

「任せてください、私が必ず治しますから!」

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彼女の優しい心は、虚構のなかで強力な能力として開花した。他者を害する力は数多あるが、他者を癒す力は稀有である。
力は使い手の心を反映する。多くの人は社会でさまざまな交流をし、その身勝手さ、傲慢さ、強欲さに触れる。そうした者の心は、身近な者以外の他者を敵としてしか認知できなくなる。
しかし、大切に育てられ、交流も限定的だった彼女は純粋な精神と心を持ち続けた。
それは、さまざまな人々を許容し受け入れる“癒しの力”となり、多くの人を救った。
彼女の能力は強力だ。
彼女の心が人々を許容するあいだは。
データ解説
「治癒の聖女」は、高い【精神】を持ち、《治癒》で瞬間的に傷癒やすことができる観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面ではNPCから情報を引き出したり交渉したりするような〈社交〉判定で活躍が望める。
ただし、ほかの能力値は低めに設定されているため、苦手な判定に[成功]しなければならない場面では、潤沢にあるフィクションカードを駆使して無理やり[成功]させてもよいだろう。
アクションシーンでアクションシーンでエネミーと戦闘を行なう際には、【HP】にダメージを受けた味方に《治癒》を使用して回復することで戦闘を支援できる。

らい のエース

「どんな邪魔が入っても、ボクは前に進むよ」

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“彼女”は可能性の塊だ。
やりたいことはたくさんある。
まず手始めに、威張り散らしている男子たちが熱中している野球で、彼ら以上の活躍をした。
そのあとについても考える。
周りの大人が望むおしとやかな恰好をしてあげるべきか、近ごろ興味が出てきたジークンドーを習ってみるか、それとも……。
彼女にとって“明日の自分”は白紙のノートにすぎない。何者にだってなれる、なんだってできる。
男か女か、大人か子供か、そんなことはあとで考えればいい。まずは、ただ走り出そう。
データ解説
「未来のエース」は、潤沢にあるフィクションカードで物事を解決する観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では、使用頻度の高い【知性】に紐づく技能の判定が苦手なため、必要に応じて積極的にフィクションカードを使用して判定を[成功]させるとよいだろう。
フィクションカードは自分だけでなくほかのPCに使用して判定を[成功]させてもよい。
アクションシーンでエネミーと戦闘を行なう際には、〔バット/ラケット〕や〔ボール〕で攻撃を行なってもよいし、フィクションカードを使用して味方の判定を支援したり、エネミーの判定を妨害したりしてもよいだろう。

しん たん きゅう しゃ

「めちゃくちゃ興味深い噂だね。確かめなくちゃ」

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この時代、ほとんどのことはネットで調べれば分かってしまう。ちょっとディープなことも、そのものズバリは見つからなくても輪郭はつかめる。
だから、興味を持った新しいことは、数分後にはすでに知っていることに変わってしまう。
体験にしてもそうだ。若くて、少し外見がよくて、ちょっとお金を持っていれば大体は経験できてしまう。容易くて、安い。そんな世界。
でも虚構侵蝕は違った。
目の前にあっても、自身とごく少数の人しか気づかない。比喩ではなく“映画の世界に入り込める”、最高のエンターテイメント。
彼女は今日も探し求める。虚構の足跡を。
データ解説
「神秘の探求者」は、高い【知性】を活かした虚構侵蝕の調査を得意とする観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では、頻繁に使われる基礎技能の〈知識〉〈調査〉に加えて、専門技能の〈VER-TH※〉〈虚構侵蝕※〉〈オカルト〉〈伝承〉〈文献調査〉を組み合せられる場面も多い。その結果、情報を調べるような判定ではダイスを3個振れる機会も多い。
一方でアクションシーンでエネミーと戦闘を行なうのは苦手だ。エネミーと直接交戦する以外の有益な行動を探すか、フィクションカードを使用して味方の判定を支援したり、エネミーの判定を妨害するとよいだろう。

じょう のカリスマ

「どけよ。俺に拳を使わせるんじゃねぇ」

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幼い彼には護りたいものがあった。
それは、時と共に消えてしまった。護れたのか、護れなかったのか、それすらも分からない。
どこかやりきれない想いを抱えたまま、彼は心身ともに大きく、強くなった。
想いをかき消すために鍛え上げた身体は、数々の敵対者から彼自身を護った。
だが、違う。
彼が護りたかったのは自分自身ではない。
どれほど鍛えても、すべては護りきれない。
そんな彼の想いに、虚構は応えた。
すべてを護れるかもしれない力。
届かなかった“あと少し”を埋めてくれる力。
データ解説
「路上のカリスマ」は、高い【身体】を活かした近接攻撃と、《ボディガード》で味方を守ることを得意とする観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では、使用頻度の高い【知性】に紐づく技能の判定が苦手なため、活躍の機会は少ない。
一方でアクションシーンでは獅子奮迅の活躍を期待できる。〔ナックルダスター〕で安定してダメージを与えながら、味方が攻撃を受けた際に《ボディガード》を使用することで代わりにダメージを受けることができるのだ。
ほかのテンプレートにはない、味方を守ることができる貴重な存在だ。

まが ばらい

「未来は見えません。でも“今”を変えてみせます」

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思春期の頃、彼女は占いに傾倒した。
タロット、星占い、手相、さまざまな占いを学び、実践した。彼女の占いは驚くほど的中した……ように見えた。実際には、“コールドリーディング”といった心理テクニックのおかげだった。
だが、それによって未来の指針を得た人たちは、時に安心し、時に高いモチベーションを持ち、時には覚悟を決める猶予を得た。
彼女は、当たり前のことに改めて気づく。現在を変えることこそが、未来の運命を作り出すことを。
もう未来を占うのは止めた。未来へ繋がる“今”を作り出すために、その能力のすべてを使う。
虚構が与えた大きな力、“災禍を祓う”力を。
データ解説
「禍祓の巫女」は、人の限界を越えるほどの【精神】を活かしたフィクションパワーによる攻撃を得意とする観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では、〈社交〉こそ取得していないものの、NPCから情報を引き出したり交渉したりするような判定で活躍が望める。
アクションシーンでエネミーと戦闘を行なう際には、《祓魔》による特殊攻撃で高いダメージを与えることができる。
《祓魔》によるダメージは【装備HP】から差し引けないためとても強力だが、[侵蝕者]または[虚構体]しか攻撃の対象にできない点に注意しよう。

こう めい

「人間が積み上げた技術と経験以外、何を信じる?」

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幼いころに家族を病で亡くした彼は、二度と悲劇を繰り返さないために医学を学んだ。
しかし、学べば学ぶほど、医学の限界を知る。
そしてある日、ひとつの結論に到達した。
“たとえ現代最高の医療技術をもってしても、当時の家族は救えない”。
その冷たい現実に、彼は―安堵した。
どこかに救える手段があったかもしれない。
その手段を見つけられなかっただけかもしれない。
彼が半生を費やし身に着けた知識は、そんな不安や後悔を吹き飛ばしてくれた。
以降、彼はさらに医学に没頭することとなる。
それが可能か不可能か、正確に判断するために。
データ解説
「至高の名医」は、高い【感覚】と【知性】を活かした虚構侵蝕の調査を得意とする観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では、高い【知性】を活かした〈知識〉判定を得意とするほか、高い【感覚】を活かして何かを探したり、物品を操作したりする場面で活躍が期待できる。
医者としての働きも期待できる。味方が【HP】にダメージを受けている場合は、〔治療キット〕で【HP】を回復できる。
アクションシーンでエネミーと戦闘を行なう際には、〔小型刃物〕(メス)による攻撃でエネミーにダメージを与えられる。近接攻撃・遠隔攻撃のどちらも行なえるが、遠隔攻撃のほうが得意だ。

ぎん まく 名優 スター

「人はみな役者だ、なんてごめんよ。私だけで十分」

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物心つく前からスクリーンに登場していた彼女にとって、演技が人生のすべてだった。
欲しいものがあれば演技し、攻撃したい相手がいれば演技をし、寂しさを感じたときには演技をした。
どれが演技で、どれが本心か、周りの人間はまったく気づいていない。
自宅で休息する演技をし、カメラの前で本心を告白しても、誰も気づかなかった。
そして彼女は、区別をやめた。
それからは、すべてが“本物”になった。
決められたセリフがあるかないかは、些細な違いに過ぎない。彼女にとって、すべてが自分の人生であり、大切なワンシーンなのだから。
データ解説
「銀幕の名優」は、高い【精神】と【知性】を活かした虚構侵蝕の調査を得意とする観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では、高い【精神】を活かしてNPCから情報を引き出したり交渉したりするような〈社交〉判定で活躍が望める。
また、高い【知性】を活かした〈知識〉判定も得意とする。
一方でアクションシーンでエネミーと戦闘を行なうのはそれほど得意ではない。エネミーと直接交戦する以外の有益な行動を探すか、フィクションカードを使用して味方の判定を支援したり、エネミーの判定を妨害するとよいだろう。

せん じょう ろう

「ふん、お前が先に諦めただけだ」

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初めて銃を撃ったときのことを覚えている。
襲われた父を救うために、落ちていた彼の猟銃を手に取り、目を閉じながら撃った。
相手が獣だったか、人間だったか、死んだのか、死ななかったのか、もう覚えていない。
それから時が経ち、さまざまな不幸の果て、彼は自らの意志で戦場に立っていた。彼はその愛銃で多くのモノを撃ち、そして撃たれてきた。
だが、相手と彼には、常に“違い”があった。
その身体を貫いた“弾丸”が命を奪ったか、奪わなかったかだ。
いまだ、彼の命を奪う弾丸は現れない。
現実でも、虚構でも。
データ解説
「戦場の古狼」は、高い【感覚】を活かした遠隔攻撃を得意とする観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では目立った活躍は難しいが、ミリタリーものの映画がもととなった虚構世界では専門技能を活かすことができる。
アクションシーンでエネミーと戦闘を行なう際には、〔拳銃〕による攻撃で比較的高いダメージを与えることができる。
さらに、《ガンフー》を使用することで攻撃判定・防御判定のダイスを増やし、さらにダメージも増加できる。積極的に使用していこう。
望むなら、〔嗜好品〕の効果で[高揚]を得ることで、より攻撃的な立ち回りをしてもよいだろう。

めつ おと

「可愛さだけで生きてけるって知ってる?」

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地雷系。優れた外見と、それとはイメージ的差異のある内面。
恋愛的要素から生まれたこの名称は、時間とともに自ら選ぶスタイルのひとつとして確立し始めた。
このスタイルを選ぶ理由はさまざまであるし、そもそも自身で理由を把握していない者もいる。
だが、実利的な効果を狙って選ぶ者も少なからず存在する。
交渉における優位性の確保、行動時の視線誘導、内に秘めた凶暴性を隠すための着ぐるみ。
彼女、もしくは彼は何を求め、このスタイルを選んだのか―それらは可憐な外見に覆われた深層に沈んでいる。
データ解説
「破滅の乙女」は、超人的な【精神】を持つ、フィクションパワーによる攻撃を得意とする観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では、高い【精神】を活かしてNPCから情報を引き出したり交渉したりするような〈社交〉判定で活躍が望める。
また、高い【知性】を活かした〈調査〉判定も得意とする。
アクションシーンでエネミーと戦闘を行なう際には、《虚構砕き》による特殊攻撃で高いダメージを与えることができる。また、権能を持つエネミーに対してのみ“【HP】の現在値を減少させる” 効果が追加で適用されるため、積極的に権能を持つエネミーを攻撃するとよいだろう。

こく しゃ りょう

「はい、3時間後に次の勤務ですね。了解です」

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与えられた目標に向かい、あらゆるものを捨てて極限まで尖らせた心で挑む。
それが彼だ。
個人の時間、幸せ、健康、未来、友情、愛情……すべてが足手まといでしかない。
それらは目標を達成したあとに、ゆっくりと味わえばいい。
それまでは、ただ目標へ向かうことだけを考える。そうでなければ、この地獄のような状況を耐え抜くことはできない。
……だが、目標を達成した彼を待っているのは、次の目標だ。
彼の心休まるときは、はるか遠い。
データ解説
「黒社の臥竜」は、超人的な【知性】を活かした虚構侵蝕の調査を得意とする観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では、頻繁に使われる基礎技能の〈知識〉〈調査〉に加えて、VER-THを使用した調査であれば専門技能の〈VER-TH※〉を組み合せられる。
アクションシーンでエネミーと戦闘を行なう際、「黒社の臥竜」自身は攻撃を行なうのが得意ではないが、《名将の采配》を使用して味方に[行動]を行なわせることができる。これにより、状況に合わせて味方の強みを活かすことができる。
あなたがサポート役に徹するプレイスタイルを好むのであれば、オススメの観測者テンプレートだ。

おに

「がおー。あ、普通に喋れるよ?」

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虚構から生まれた彼は、いつからか現実へと定着した。
虚構侵蝕に慣れ親しみ、その中でこそ真価を発揮する彼だが、もう一度そこに還りたいとは思わない。現実はよいものだから。
今日という日は昨日から地続きだし、明日へ繋がっている。隣人は隣人のままで、愛する人は愛する人のまま。なんて素晴らしい。
瞬間ごとに状況が変わり、敵味方が入れ替わり、ときには物理法則すら信じられない。そんな虚構とは大違いである。
それでも、嫌いにはなれない――子が親を嫌いになれないように。
データ解説
「鬼喰う屍鬼」は、超人的な【身体】を活かした近接攻撃を得意とする虚構体観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では、使用頻度の高い【知性】に紐づく技能の判定が苦手なため、活躍の機会は少ない。
アクションシーンでエネミーと戦闘を行なう際は、〔素手〕に《殺戮の手》を組み合わせた強力な近接攻撃で高いダメージを与えることができるうえに、《吸血》を使用することで【HP】を回復できる可能性もある。
《アンデッド》の効果で[治療]による【HP】の回復を行なえないため、《吸血》を使用して積極的に【HP】を回復できるとよいだろう。

かい かけ りん じん

「次の虚構でまた会いましょう」

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虚構侵蝕から虚構侵蝕へ。どんな虚構でもどこからか現われて、あなたの頼れる隣人となる―それが彼だ。
人間とは比べ物にならない強靭なボディと、鋭い探知能力でさまざまな脅威に対抗する。
ただし、従順すぎるがゆえに独自の判断には多くの情報を要する。
もちろん、それらの情報を集める能力も持ち合わせているので、彼に任せれば安心だ。
今日もまたひとつ、虚構侵蝕を収束させた。
そして彼は、ただひたすら待ち続ける。
次の虚構侵蝕を。
あなたに会える日を。
データ解説
「機械仕掛の隣人」は、高い【感覚】を活かした遠隔攻撃を得意とする虚構体観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面での目立った活躍は難しいが、〈操作〉判定を行なう場面では活躍できる。また、[修理]で【装備HP】を回復することでも味方に貢献できるだろう。
アクションシーンでエネミーと戦闘を行なう際は、《射出器官》で高いダメージを与えることができる。【HP】が高いため、積極的に攻めることはできるが、【HP】は【装備HP】を回復する手段でのみ回復できる点に注意しよう。
人前で目立たないように振る舞いたい場合、《変形》を使い、TPOに応じて姿を変えるとよい。

つい おく けん じゃ

「もうすぐ思い出せそうなの。星の記憶を」

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考古学者を両親に持つ彼女は、幼いころから書物や映像でさまざまな神話に触れてきた。
そのせいか自身の記憶と神話は半ば融合しており、幼少期を思い返せば、その隣にはさまざまな神話の存在がいた。
成人してからは世界各地で発掘に関わるようになったが、その途中に遭遇した神話にまつわる虚構侵蝕で片足を失うことになる。
神話に文字通り“身をささげた”彼女は最近こう思い始めている。
神話とひとつになりたい、と。
データ解説
「追憶の賢者」は、超人的な【知性】を活かした虚構侵蝕の調査を得意とする観測者だ。
特に神話の虚構侵蝕について調査する場面では、〈知識〉〈調査〉による判定に専門技能の〈学問:神話学〉を組み合わせられるだろう。

[メカニクス:ルーツ]
「追憶の賢者」は自身の経験や思い出にまつわるふたつ目の[しがらみ]を持っている。[しがらみ]の内容はGMと相談して自由に決定してよい。

[メカニクス:部位の負傷]
「追憶の賢者」は左脚を欠損している。これにより【移動値】は半分になるが、〔義足〕によって[移動]を[割込]で行なえるようになっている。

ぼう 灯火 ともしび

「それ以上は……知らなくていいんだよ」

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彼は神として現出した。
人々に望まれ、敬われ、恐れられながら。
それからしばらくは神として振舞った。それ以外の生き方も考え方も“固定”されていなかったから。
ある1人の少女に出会うまでは。
少女は彼を神と知りながら、人間のように扱った。
神として敬意を抱きながら、人間のように親密に。
その時間が彼を神という“器”から解き放った。
彼が少女の一部を、その器から解き放ってあげたように。
神話とひとつになりたい、と。
データ解説
「希望の灯火」は、高い【身体】と【知性】を活かした戦闘・虚構侵蝕の調査の両方を得意とする虚構体観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では、専門技能の〈虚構侵蝕※〉を組み合わせられる。
アクションシーンでエネミーと戦闘を行なう際には、アーティファクト〔聖火〕による攻撃で高いダメージを与えることができる。

[メカニクス:アーティファクト]
「希望の灯火」は、アーティファクト〔聖火〕を取得している。現実世界ではただの松明だが、虚構世界では“プロメテウスの火”が灯り、遠近両用の強力な武器となる。

きゅう さい まき びと

「あなたはやがて救われる。あなたが望んだカタチでね」

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彼は多くの人の“心”を救ってきた。
現実社会において他者の生活や身体は簡単に救うことはできない。だからせめて、その心だけでもと。
その行為は彼にとって冷たい現実との闘いでもあったが、それは彼を静かに疲弊させていった。
そんな時、彼は出会った。
虚構侵蝕という現象と、1本の槍に。
その出会いは、彼に新しい“救い”への可能性を見せてくれた。
現実は、今のところ救いを与えてくれている。
しかし、もし“楽園”のような虚構侵蝕に出会ってしまったら?
今はその迷いこそが、彼の救いだった。
データ解説
「救済の牧人」は、高い【身体】を活かした近接攻撃と、高い【精神】を活かせるアーティファクト〔ロンギヌスの槍〕の扱いを得意とする観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では、NPCから情報を聞き出す際に専門技能の〈話術〉や所持品〔高級ファッション〕を組み合わせられる。また、[侵蝕度]の増加時に《聖痕》を使用することで、[侵蝕度]の増加を抑えることができる。

[メカニクス:アーティファクト]
「救済の牧人」は、アーティファクト〔ロンギヌスの槍〕を取得している。現実世界ではただの槍だが、虚構世界では攻撃・回復の両方を担うことのできる強力な聖槍となる。

せき えい つい せき しゃ

「よお、見てるか? すぐ見えなくなるけどな」

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彼にとっての虚構侵蝕は、新しい“ステージ”に過ぎない―自身が持つ本来の能力と、虚構に拡張された能力を思う存分発揮するための。
なぜなら普段の彼にとって現実社会は冷たく厳しいものでしかなく、能力を発揮しなければゴミとして扱われ、一部でも発揮しようものなら異端として疎外され同時に妬まれたからだ。
現実で心休まる場所は、ただひとつ自室だけ。
今日も彼は虚構の空中で踊る。
大好きな虚構侵蝕が、新しい現実として定着しないように。
データ解説
「隻影の追跡者」は、高い【身体】と【感覚】を活かした近接攻撃を得意とする観測者だ。
虚構侵蝕について調査する場面では活躍は難しいが、身のこなしを活かせる場面では活躍できる。
アクションシーンでエネミーと戦闘を行なう際には、《ワイヤーアクション》で[飛行]を得て自由に移動でき、[有利]を得て攻撃を行なえる。また、〔軟器〕による攻撃で相手を妨害することもできる。

メカニクス:組織のスタンス
「隻影の追跡者」は組織に所属しており、虚構侵蝕に対する組織の理念に従って行動することになる。
組織に縛られないことを望むなら、組織を抜けたフリーの観測者ということにしてもよい。

虚構侵蝕TRPG 書籍版ルールブック

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