虚構侵蝕TRPG

ルールブック

アクションシーン

アクションシーンの進行


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秒単位で目まぐるしく状況が変化する緊迫した状況の中でキャラクターが行動するようなシチュエーションが発生した場合は、アクションシーンのルールで行動の処理を行なうことができる。

GMがアクションシーンの開始を宣言した時点で、アクションシーンの処理が開始する。

ラウンド進行

アクションシーンは[ラウンド]という単位で進行する。ラウンドとは、アクションシーンに参加しているキャラクターがそれぞれの手番で行動を行なう一連の流れのことである。

GMはアクションシーンが発生すると同時に「ラウンド進行」を宣言する。ラウンド進行は、GMがアクションシーンの終了を宣言するまで続く。

手番
キャラクターが行動する順番が回ってきたタイミングを[手番]と呼ぶ。
[未行動]と[行動済]
ラウンド進行において、まだ手番を行なっていないキャラクターを[未行動]とする。また、手番を行なったキャラクターを[行動済]とする。
1ラウンドの時間経過
基本的に、1ラウンドは10秒であるものとする。

アクションシーンのモード

アクションシーンには、基本となる[演出モード]のほか、[メカニクス]として追加できる[陣営モード][戦術モード](『書籍版ルールブック』)の3種類のモードが存在する。

ここでは、[演出モード]を扱う。

アクションシーンのモード
モード 解説
演出モード アクションシーンの基本的なモード。アクションシーンに参加するキャラクターの位置関係を加味せずに行動の処理を行なう。
陣営モード [メカニクス]で追加できるモード。「陣営マップ」を使用する。アクションシーンに参加するキャラクターの位置関係を[自陣エリア][乱戦エリア][敵陣エリア]に分けて行動の処理を行なう。
戦術モード [メカニクス]で追加できるモード(『書籍版ルールブック』 P100参照)。「戦術マップ」または市販品や独自に制作したスクエアマップを使用する。アクションシーンに参加するキャラクターの位置関係を細かく表現して行動の処理を行なう。

ウンドの開始

ラウンド開始の準備を以下の手順で行なう。

①参加者の確認

これから開始するラウンドにおいてアクションシーンに参加する(している)キャラクターを確認する。

アクションシーンの参加者は[未行動]になる。

参加者の追加
アクションシーンに新たに参加させたいキャラクターが存在する場合は、この時点でGMに許可をとる。ここで許可を得たキャラクターのみが、新たにアクションシーンに参加できる。

②効果の宣言

ラウンド開始の時点で宣言可能な所持品やフィクションパワーなどの効果を宣言できる。

効果の宣言は【行動値】の高い順番に行なうこと。

このとき、【行動値】が同値の場合はPCが優先となる。

PC同士が同値の場合は、プレイヤーが相談して順番を決定してよい。NPC同士が同値の場合は、GMが順番を任意に決定してよい。

③“ラウンドの開始”の終了

①②の処理が終わった時点でラウンドを開始するための準備を終了し、「手番の処理」に進む。

番の処理

[未行動]の参加者は手番を行なう。手番の処理は以下の手順で行なう。

①手番キャラクターの決定

【行動値】が最も高い参加者が手番を開始する。このとき、【行動値】が同値の場合はPCが優先となる。

PC同士が同値の場合は、プレイヤーが相談して順番を決定してよい。NPC同士が同値の場合は、GMが順番を任意に決定してよい。

②手番の開始

手番を開始した参加者は、その中で1回の[行動]を行なえる。[行動]でどのようなアクションを行なうかは、手番を開始した参加者のプレイヤー(NPCであればGM)が決定する。

手番中では[行動]のほかに[割込]のアクションを行なえる可能性がある。詳細は下表「ラウンド進行でのアクション(演出モード)」を参照すること。

ラウンド進行でのアクション(演出モード)
使用 アクション 解説
行動 行為 10秒以内で完了できる行為を行なう。必要であれば判定を行なう。
攻撃 [攻撃]を行なう。
隠密 隠れられる状況(GMが判断)でのみ宣言できる。[隠密]を得る。
発見 隠れている存在を積極的に探す。詳細は[隠密]の項を参照すること。
逃走 [逃走]を得て、即座に手番を終了する。
効果の使用 「使用:行動」の所持品やフィクションパワーなどの効果を使用する。
割込 協力 [未行動]のとき、あなた以外の[行為]または[攻撃]に対して宣言する。あなたは協力者となり、協力効果を1種類選択して主体者の判定に適用する。その後、あなたは[行動済]となる。
準備・収納 [行動]の直前または直後に宣言する。1個の[収納]している所持品を[準備]するか、1個の[準備]している所持品を[収納]する。[準備][収納]は、手番ごとにいずれかを1回まで宣言できる。
防御 [攻撃]を受けたときに宣言する。[防御]を行なう。[防御]は1回の[攻撃]に対して1回まで宣言できる。
待機 手番を開始する直前に宣言する。[待機]を得て、[行動済]になることなく即座に手番を終了する。
待機の解除 [待機]を得ているとき、「手番→①手番キャラクターの決定」の任意の時点で宣言する。[待機]を解除し、即座に手番を開始する。
撤退 [逃走]を得た状態でラウンドを終了した時点で宣言する。アクションシーンから除外される。
効果の使用 「使用:割込」の所持品やフィクションパワーなどの効果を使用する。

③手番の終了

1回の[行動]が終了したら、ほかに[割込]の効果の宣言があるかを確認する。

宣言がなければ手番を行なった参加者は[未行動]から[行動済]になり、手番は終了する。

④[未行動]キャラクターの確認

アクションシーンの参加者のうち[未行動]の参加者が存在する場合は手順①に戻る。

[未行動]の参加者がいなくなった時点で「ラウンドの終了」へ進む。

ウンドの終了

アクションシーンの参加者全員が[行動済]になった時点でラウンドは終了する。

アクションシーンの終了条件を満たしていない場合は次のラウンドを開始し、「ラウンド開始」からの手順を行なう。アクションシーンの終了条件を満たしていれば「アクションシーンの終了」へ進む。

戦闘における終了条件

アクションシーンで戦闘を行なっている場合、PC側かエネミー側のいずれかの参加者全員が[瀕死][死亡]のいずれかになった時点か、GMがアクションシーンを打ち切った時点で終了する。

特殊な終了条件

シナリオによっては、上記以外の特殊な終了条件が設定されていることがある。その場合は、シナリオに設定された終了条件に従うこと。

クションシーンの終了

アクションシーンの終了条件を満たした時点で、アクションシーンは終了する。

行為


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短い時間の中で細かく行為の処理を行なう場合は、アクションシーンで[行為]の宣言を行なう。ただし、1回の[行動]で解決する[行為]は、10秒以内で完結するものでなければならない。

判定が必要な[行為]は、判定のルールに従って処理を行なう。

為の継続

[行為]の内容が10秒を超える時間を要する場合、次のラウンド以降も[行動]として[行為の継続]を宣言する必要がある。GMは、その行為が全体でどれくらいの時間がかかるかを裁定し、「行為に必要な秒数÷10」ラウンドの[行為の継続]が必要なことを[行為]を宣言したプレイヤーに告げること。

その[行為]で判定が必要な場合は、[行為の継続]をすべて完了した時点で判定を行なうこと。


例:拘束されている人物の縄を解くための行為を行なうとき、GMがその行為に30秒かかると裁定した場合、1ラウンド目に[行為]を宣言し、2ラウンド目に[行為の継続]を宣言する。そして、3ラウンド目に[行為の継続]を宣言したうえで判定を行ない、成否を求める。

行為の中断

[行為の継続]が必要な[行為]において、[行為の継続]をあえて宣言しないこともできる。その場合は、継続中の[行為]が中断されたものとして扱う。

もちろん、行為を中断した手番では別の[行動]を宣言できる。

攻撃と防御


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相手にダメージを与える行為を[攻撃]と呼ぶ。それに対して、[攻撃]を防ぐ行為を[防御]と呼ぶ。

撃と防御の手順

[攻撃]と[防御]は以下の手順で処理を行なう。

①[攻撃]の宣言

キャラクターが[攻撃]を宣言した場合、攻撃に使用する所持品やフィクションパワーなどをの実行可能な攻撃方法を1種類選択して宣言する。

攻撃方法は下表「攻撃方法」の3種類に大別される。

素手
拳・足・頭突きなどの体を使うすべてを表わす近接攻撃に属する攻撃方法。素手はすべてのキャラクターが無条件に攻撃方法として宣言できる。
攻撃方法 対決 解説
近接攻撃 〈白兵〉vs〈運動〉 近接攻撃を行なう武器、またはそれを代用する物品による攻撃。
遠隔攻撃 〈射撃〉vs〈探知〉 遠隔攻撃を行なう武器、またはそれを代用する物品による攻撃。
特殊攻撃 さまざま 所持品やフィクションパワーなどによる、上記のいずれの攻撃方法にも当てはまらない特殊な攻撃。詳細は特殊攻撃を行なう効果の記述に従うこと。

②対象の決定

[攻撃]を宣言したら、次に攻撃を行なう対象を決定する。攻撃方法にはそれぞれ対象が設定されている。詳細は「対象一覧表」を参照すること。

③攻撃判定

攻撃を宣言したキャラクターは攻撃方法で指定された判定を行なう。これを“攻撃判定”と呼ぶ。

攻撃判定は、判定のルールに従って行なう。また、攻撃判定は能動判定として扱い、攻撃の対象が行なう防御判定との[対決]となる。

④[防御]の宣言

キャラクターは[攻撃]を受けたときのみ、その攻撃に対抗するために[防御]を宣言できる。

[防御]を宣言できる回数は、1回の[攻撃]に対して1回までとする。

なお、物体は基本的に[防御]を宣言できない。

⑤防御判定

[防御]を宣言したら、攻撃方法に対応した判定を行なう。これを“防御判定”と呼ぶ。

防御判定は、判定のルールに従って行なう。また、防御判定は受動判定として扱い、攻撃判定との[対決]となる。

⑥[対決]の結果の確認

攻撃判定と防御判定の[対決]の結果を確認し、下記の処理を行なう。

  • 能動側(攻撃)が[勝利]した場合:「⑦ダメージの算出」に進む。
  • 受動側(防御)が[勝利]した場合:「⑦ダメージの算出」「⑧ダメージの適用」をスキップして「⑨攻撃の終了」へ進む。

⑦ダメージの算出

攻撃方法で指定した所持品やフィクションパワーの効果に書かれている値が基本的なダメージとなる。さらに、所持品やフィクションパワーなどの効果に“ダメージへの修正”がある場合はその値も合計する。

こうして算出された値が、攻撃を受けたキャラクターが負う最終的なダメージとなる。

ダメージ=効果に書かれているダメージ値+修正値

クリティカルの利益(攻撃)
攻撃判定で[クリティカル]が発生した場合、通常の利益に加えて、ダメージに+「攻撃判定で用いた基礎技能に属する能力値」する。
例:近接攻撃(【身体】8、与えるダメージ10)の攻撃判定で[クリティカル]が発生した。その結果、ダメージが8点増加するため、「10+8=18」となり、最終的なダメージは「18」点となる。

⑧【HP】の減少

ダメージを受けたキャラクターは、ダメージの値だけ【HP】が減少する。

⑨攻撃の終了

これまでのすべての処理が終了した時点で、攻撃は終了する。

チェイス


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相手を追いかける、あるいは追いかけてくる相手から逃げるようなシチュエーションや、速度を競うようなシチュエーションが発生した場合は、[チェイス]のルールで解決する。

[チェイス]では参加者の位置を数値で表現するため、[演出モード]での運用を行なう。

ェイスの手順

[チェイス]は基本的にラウンド進行の手順に従って行なうが、以下に特別な処理を挙げていく。

チェイスのタイプの決定

チェイスには2種類のタイプが存在する。どちらを行なうかを選択すること。

逃走と追跡
逃走者は追跡者の前方に存在し、追跡者から逃げるのが目的となる。追跡者は、前方にいる逃走者を追いかけるのが目的となる。チェイスの参加者は逃走者と追跡者のいずれかに分かれる。
競争
ある地点を目指してどちらが早くたどり着くかを競い合うのが目的となる。

位置の確認(ラウンドの開始)

参加者同士の位置を確認する。

位置は0以上の数値で表わし、【移動値】1ごとに位置を±1できる。

「逃走と追跡」の場合は、逃走者と追跡者の位置を別の値に設定しなければならない。

「競争」の場合は、基本的に同じ値の位置に設定するが、ハンデを付ける場合はその限りではない。

疾走(手番の処理)

[チェイス]では、[行動]として[疾走]を宣言することで、位置を変更できる。

〈運動〉判定(乗物を運転している場合は〈操作〉判定)を行ない達成値を求める。

この判定に難易度は存在せず、代わりに位置の値をを「達成値+【移動値】」以下の値だけ増減する。

攻撃と防御(手番の処理)

[チェイス]においても参加者を対象に[攻撃]を宣言することができる。基本的には「攻撃と防御」(P84)のルールに従って処理するが、以下の点が異なる。

攻撃の射程
[チェイス]での[攻撃]は、[演出モード]の処理であっても[戦術モード]の「射程」を使用する。位置の値の差分値が攻撃方法の「射程」以内であれば、そのキャラクターを対象にできる。
攻撃前の移動
[攻撃]を宣言したキャラクターは、[割込]として[移動]を宣言できる。その結果、位置の値を【移動値】以下の値だけ増減する。

チェイスの終了条件(ラウンドの終了)

あらかじめ定められている終了条件を満たすことで、[チェイス]は終了する。

以下に、状況別の終了条件の例を挙げる。

  • 競争:参加者のいずれかがあらかじめ設定された位置に到達した時点で終了する。
  • 追跡:追跡するキャラクターが逃走するキャラクターに追いつくか、逃走するキャラクターを見失わないまま、設定されたラウンド数が経過した時点で終了する。
  • 逃走:逃走するキャラクターが追跡するキャラクターを振り切る(お互いの位置があらかじめ設定された位置の差分以上に開く)か、追跡するキャラクターに追いつかれないまま、あらかじめ設定されたラウンド数が経過した時点で終了する。

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