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2000年にサービスを開始し、現在は全世界で10億人を超えるユーザーを抱える巨大ソーシャルプラットフォーム“VER-TH”。
現代人が必要とする多種多様な機能を持ち、常に新しい機能を拡張し利用者を増やし続ける、驚異の存在。
ここではツールとしてのVER-THの機能と、それを取り巻く環境を説明する。
ここに記載されているツールは、VER-THリリース時から存在してるものである。
世界最大の検索ツールで、画像、音声からの検索も可能。現実世界にも同様同規模の検索ツールは存在するので、想像しやすいだろう。
一般的な事柄については、この検索ツールひとつで調査可能だが、プライベートな情報や企業秘密などのディープな情報に関しては、当然この検索で分かることはない。
だが検索の仕方次第では、それらに繋がる糸口を見つけることはできるかもしれない。
最近は偽の情報や検索順位のコントロールなどがあり、かえって使いにくくなっているという話もある。
どちらにしろ、VER-TH検索が最も汎用的で効率的な調査手段であることは間違いない。
また、検索に引っ掛からず、URLを知っているだけではアクセスすることができない、ダークウェブへの入り口も存在するという噂がある。
ダークウェブは犯罪の温床となっているが、表では手に入らない貴重な情報やアイテムを入手することも可能だろう。
ユーザーが作成した動画の投稿やライブ配信といった機能を持つ、パソコンとスマートフォンで使用可能なストリームツール。
コメント機能や投げ銭、有料会員、限定メンバー用ライブ配信、音楽配信など、非常に充実した機能を持つ。
動画視聴やライブ配信への投げ銭による収益も存在し、ごく一部の配信者は一流企業の重役以上の収入を得ている。
数百万のフォロワーを持つ配信者が情報発信に使用することで、かつてのテレビ以上の伝播力を発揮することができるだろう。
また、検索では見つけられない動画も存在しているという噂があり、通常では得られない情報を得ることができる可能性もある。
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に分類されるツールで、140字以内のテキストや画像、動画、音声などを投稿し、ユーザーがお互いをフォローすることでコミュニケーションを行なう。
普通の人にとっては何気ない日常をつぶやいたり、面白いメッセージを投稿する人をフォローして楽しむツールだが、中にはフォロワー数を増やして承認欲求を満たしたり、増えたフォロワーを使って商業に利用する者もいる。
あくまで個人による発信のため情報の信頼度や精度も低く、調査に利用するには慣れが必要である。
個人間でのメッセージ交換や音声通話に使用できるツールで、スタンプなどを使うことでコミュニケーションを楽しめる。
虚構世界でもVER-TH経由で使用できるため、基本的に個人間の連絡はこれで行なえるようになっているが、状況次第ではもっと秘匿度が高い連絡手段を用いたほうがよいだろう。
ネット上にデータを保管するためのツールで、大容量データのやり取りに使われることが多い。
URL形式でデータ共有が可能なため不特定多数への発信にも使えるが、共有データにウイルスが混入している可能性もあるので受け取り側の場合は注意すべきだろう。
持ち主が亡くなった後もそのデータだけが残っている場合もあり、数多くの用途不明なデータがネットの海を漂っている。
ネット黎明期から存在する匿名の電子掲示板を模したツールだが、アクセスするにはある程度のネット知識が必要なため、その利用者は少ない。
匿名性と利用者の少なさから、嘘か本当か分からない奇妙な話が多く、どこかアンダーグラウンドな雰囲気が漂っている。
中でも都市伝説を扱う「アーバンレジェンドスレッド」略して“アバ板”では、サービス開始直後から波はあるものの、常に虚構侵蝕については話題に上がっており、作り話も含めると多種多様な事例を見ることができる。
自らを観測者であると主張する書き込みも多く、本物か偽物かは分からないが虚構侵蝕の数少ない情報源となっている。
また、虚構核、観測者、虚構世界、フィクションパワーといった名称も、このアバ板が発祥である。
映画やドラマ、アニメなどを月額料金で視聴可能なサービス。
映画館に行かなくても映画が視聴できるようになったことから、一時期は映画館減少の原因とも言われた。だが、その手軽さから映画に興味を持つ人が増え、映画館で映画を視聴することをイベントとして楽しむ層が増え、映画館の数はかえって増えることになった。
現在はVER-THが運営する映画館「VER-THシネマ」と連携をし、数々のイベントを企画実行している。
インターネットでゲームの購入が可能なサービスで、そのままインターネットを使ったマルチプレイやライブ配信可能なツールとしても使える。
マルチプレイ時のボイスチャット機能もあるが、時折ゲームとは関係ない音声が聞こえるなどの不具合があって、あまり使用されることはない。
VER-TH含む各企業が高額の賞金を提供する大会が定期的に開催されているため、それを生業とするプロゲーマーが多く生まれている。
世界最大の通信販売プラットフォーム。
莫大な種類の品揃え、ドローンを使用した驚異的な速度での配達、購入者に合わせた多様な決済手段で、サービス開始直後から世界最大のシェアを誇る。
このVER-THショッピングが普及したため実店舗の数が年々減っており、商売の形そのものを変えてしまった。
ただし、最近は多くの事業者の参入により商品の品質は安定しなくなり、実店舗の必要性も見直されている。
莫大な数の商品ページに埋もれて、本来入手することが難しいアイテムも取引されているという噂がある。
不特定多数の複数ユーザーが集まって、ひとつの作品を作り上げるツール。
その作品ジャンルは映像、音楽、ゲーム、舞台など多岐に及ぶ。
ジャンルによって製作方法の指針や手法のアドバイス機能が存在し、全くの素人でも製作自体には参加できる。
だが、あくまで不特定多数による創作であるがゆえに、完成までたどり着くことは少ない。また、完成したとしてもクオリティが高いものはほとんどない。
それでもチームで製作することの楽しさや難しさ、完成までたどり着いたときの達成感を得るために、多くのユーザーが利用している。
このツールで経験を積み、大ヒット作品を作り上げるユーザーもいることから、未来を目指す若きクリエイターの修行の場としても人気である。
サービス開始から20年以上経つ中で、このツールのみで作られた数本の作品が世界的大ヒットを記録している。
それらは完成度が高いだけではなく、過去そのジャンルに存在しなかった斬新な手法が使用されており、ごく一部の有識者はこのツールの存在を評価しつつも、既存のジャンルを大きく変えてしまうものとして危険視している。
サービス開始直後から存在する、プラットフォームと同名のVR(仮想現実空間)ツール。
こまめなバージョンアップが繰り返された結果、専用のVER-THヘッドセットとVER-THスーツを使用することで、体の動きをダイレクトに反映させる、限りなくリアルなVRを楽しめるようになった。
用意されたVRワールドは多種多様に及び、現実そっくりなものから、ファンタジー、近未来、近世、宇宙、深海、特定のコンテンツを再現したものなど、常に増え続けている。
あくまで噂だが、VR内で触感や匂いを感じたユーザーや、通常の方法ではアクセスできない隠されたVRワールドを見つけたユーザーの報告も存在するとのことだ。
そのリアルさと没入感と自由度から、ごく僅かな生活活動を除き、可能な限りVRで過ごし続けることを選んだ“戻らない”者も多く、社会問題となりつつある。
戻らない者の中には生活活動すら放棄してVRに接続されたまま死に至るものや、病院に運び込まれるものもいる。
病院に運び込まれたものの中には意識を失っている者もいて、その精神はまだVER-THに捕らえられているのではないかという噂が存在する。
ここでは企業としてのVER-THの成り立ちや経営状態、施設などを紹介していく。
企業としてのVER-THは、当時大学生であった「松田論」によって、ソーシャルプラットフォームVER-THのリリースと同時に設立された。
リリース直後はネットユーザー数が少なかったこともあり、知る人ぞ知るツールとしてアンダーグラウンドでのみ知名度が高かったが、時代が進むにつれて多くの人に認知され爆発的に流行することになった。
のちの時代から振り返ってみると、すべての技術や視点が革新的であるため流行するのは当たり前であるが、当時の情報や認識でそれを実行に移した松田は一部の層からは予言者とも称されている。
収益が1000億円を超え、翌年には東京にサーバー施設を兼ね備えた巨大な本社ビルを建設した。
この時期から検索ツールなどで得られたビッグデータをもとに、AI研究が進められる。
この研究結果は毎年公表されるものの、目立った成果を上げぬまま2022年まで続いていくことになる。
世界的にも一般的な検索ツールとして認識されるようになり、世界の主要地域に支社を設立することになった。
しかし、それらのオフィスは主要都市の中でも中枢と呼べるような地域には建てられず、ときには郊外に建設された。
そこには何かしらのこだわりや法則のようなものが感じられたが、結局現在に至るまで解明されていない。
世界的な金融危機が訪れたが、高い自己資本比率と技術力によって成り立っているVER-THは、その影響をほとんど受けることは無かった。
結果、勢いを落とさなかったVER-THは、プラットフォームにあるすべてのツールをそれぞれの分野におけるシェアで世界1位とし、以降その座から転落したことはない。
VER-THの売上高が50兆円を超え日本で最大の企業となるも、支社や関連企業、社員数は10年間でわずかな増加にとどまった。
その分、社員の収入や福利厚生にかける金額が増加していくが、それだけでは消費しきれない財力は公的機関への多額の寄付や献金に使われることになる。
結果的には、この行為がVER-THの政治的立場をも強くしていくことになるが、人々がそれに気づくのは10年ほど経ってからである。
VER-THで開発したOSを搭載したスマートフォンを発売。通話とインターネットがメインのシンプルなモデルから、全ツールが使用できるフラグシップモデルまで幅広いラインナップで、多くの人に受け入れられる。
とりわけシンプルなモデルはVER-THフォンと呼ばれ、価格の低さもあってか爆発的な流行を見せる。
また、この年に日本を襲った災害に対し、莫大な額の支援を行なった。
前述の成功を受けて通信事業にも参入。
独自の基地局を建設して広いエリアをカバーしつつ、安定度も高める。
古参企業にシェアでは劣るものの、独自のネットワークを形成し運用できるようになり、VER-THが関わる事業すべてにとって大きな支えとなった。
宇宙開発事業に参入。
独自の技術力で、それまで世界最先端と称されてきた有人宇宙機の性能を超える機体を製造し発表した。
注目が集まるも、パイロット適任者がおらず打ち上げには至らなかった。
ただし計画自体は中止とはならず、2022年に再始動することとなる。
年間売上高が日本円にして70兆円を超え、世界最大の企業へ。
しかし、VRツールによる障害が表沙汰になり、一部の報道機関によって批判的な報道がなされた。
また、被害者家族からの訴訟が相次ぐことになった。
驚異的なスピードですべての訴訟に勝利したVER-THだが、なぜか控訴がされることはなかった。
結果的にVRから戻ってこれなくなった責任はVER-TH側にはないこととなり、企業の評判はすぐに回復した。
ただし、ごく少数の人間の間では、何らかの政治的な力が働いたのではないかという憶測が飛び交い、少数ゆえに企業そのものの評判には影響がないが、消えることなく議論されていくことになる。
2017年に断念していた有人宇宙機の打ち上げを、AIパイロットによって行なうと発表をする。
周囲による懸念も多かったが、発表されたAIパイロットの人間と遜色ない判断力をみたことにより、一転して応援ムードに。
早ければ2023年の年末には打ち上げとなる模様で、世間の期待は日々高まっている。
同企業の本社は、日本の東京都墨東区(公式都市である墨東区を採用しない場合は台東区)に存在する。
地上30階、地下5階の高層ビルで、2002年春に着工し2003年秋に完成した。
ビルの最上階には厳重な警備に守られたサーバールームがあり、その厳重さはホワイトハウスに匹敵すると冗談混じりに言われることもある。
主にVER-THのソフト面の開発運用を担当しており、AIの研究なども同ビルの研究室で行なわれている。常に最新の設備に更新されている同ビルだが、社内勤務している人数は少なく、最大でも2桁に留まる。警備や清掃などの付帯業務に従事している人間のほうが多いと噂されるほど、ビル内で社員を見かけることはない。
理由としてはもともとの社員数の少なさと、自社技術をフルに活用したリモートワークによるものだ。
また、社長である松田は、このビルにある社長室から出てくることはまれで、普段は社員たちの前に姿を現すことはない。
さらに社長室が本社ビルのどこにあるかは、警備の責任者や副社長などの一握りの人間しか知らない。
そのことから、サーバールームが社長室になっているのではないか、すでに松田は存在しないのではないかという噂が社員たちの間に広まっている。
最新の設備を備えたシネマコンプレックス(複合映画館)で、都内のみならず全国各地に出店している。
地方では映画館が無くなってしまった街に出店することが多く、その街にもともとあった映画館に関わったことのある人間を積極的に採用している。
そのため地方映画の救世主扱いされているが、もともと映画館がなくなった原因がVER-THが提供しているVプレミアムだという声もあるので、地域によっては敵視されている場合もある。
最新の映画はもちろん、年代を問わず旧作のリバイバル上映をするので、映画ファンからは高評価を得ている。
VER-THショッピングの運営する実店舗で、話題の商品の実物に触れることができる。
外部事業者登録制通販のため、取り扱っているものの品質が安定しないという問題が発生している。それに対する改善策のひとつとして作られたのが、このショップだ。
売れ筋ランキング上位の商品に加えて、リクエストがあった商品を取り寄せて、直接手に取って確認してから購入することができる。
品質が説明と食い違っている場合、その業者にはペナルティが課せられる仕組みも存在する。
このショップの存在により、急いでる人には今まで通りの迅速なサービスを提供し、品質を求める人には確実性を与え、詐欺まがいの業者やサクラによる偽物のレビューを激減させることに成功した。
VRツールを、最新のフル装備で楽しめるスペース。都内と全国の主要都市に出店している。
時間単位で使用料がかかるものの、ネットカフェと同程度の金額で楽しめるので、機材が購入できない、自宅では使用に弊害があるなどの理由で、多くの人たちが利用している。
また、このステーションであれば、時間制限で強制的に切断してくれるので、没頭して戻ってこれなくなることもない。
そのため、機材購入や場所を用意できる資産を持っているにもかかわらず、このステーションに通う者も多い。
イベント期間などには、このステーションでしか移動できないVRワールドが出現したり、VR内アイテムが入手できたりするので、ユーザーの注目度は高い。
埼玉県の郊外に広大な面積を持つVER-THの研究施設で、小型ながら飛行場も併設されている。
VER-THショッピングで運用されている配達用ドローンやVER-THヘッドギア、スーツといったハード面の研究、実験が主な業務となっている。
現在研究している中で最大のものは有人宇宙機で、完全なRLV(再使用型宇宙往還機)としての機能を持ち、2023年末の打ち上げに向けて最後の追い込みを行なっている。
研究や実験に関わっている人員は本社に勤めている者よりも多く、またその性質ゆえ警備も厳重になっている。
千葉県東方沖に浮かべられた海洋調査研究施設。
施設の構造物は海中にも延びており、特殊な装備が無くても水深80mの世界を堪能することができる。
日光はほとんど届かないが、構造物に取り付けられた強力なライトによって、10m程度の視界は確保できている。
その最新設備によって、すでにいくつかの新発見がなされており、今後にも期待がかかっている。
また、年に2度だけ部外者の立ち入りが許可されるが、応募者多数のため抽選によって選ばれる。
都内にある総合病院で、通常の医療技術もさることながら、VER-TH独自のハイテク義肢によるリハビリテーションが高い評価を得ている。
試験的にだが人間の意志で動かせる義肢も用意されており、特殊な契約を交わした患者に装着されることがある。ハイテク義肢装着者の中には、まれに通常の人間以上の運動能力を発揮する者もいる。
埼玉県北部で実験中の、都市と同様の機能を持つ単一建築物。最高部100メートル、直径365メートルの全15階層からなるドーム状の建物で、単一の屋根を持つ建築物としては世界最大級の規模である。
内部には4人家族が生活可能な部屋が3,000室用意され、スーパーやコンビニといった生活に身近なものから、学校や市役所出張所などの公的施設、公園や運動場といったレクリエーション施設も内包されており、建物の外に出なくても生活が可能になっている。
現在は約5,000人の老若男女が1年間の生活を送っており、さらに1年が経過した後に実験は終了となる。今後、実験結果を反映した増築を予定しており、最終的には10,000人が30年間生活することを目標としている。
一説には地球以外の惑星での生活や宇宙船による恒星間航行を想定したシミュレーションであるとされ、預言者とも称されている松田が、今度は何を予測しているのかについて、Vちゃんねる内ではさまざまな憶測が飛び交っている。
2012年に打ち上げられた通信用人工衛星で、2013年から開始した通信事業の一端を支える存在である。
それ以外にも、当時秘密裏に計画されていた宇宙事業への足掛かりとして、技術と経験の蓄積のために運用された。Vちゃんねる内では隠された機能としてレーザー兵器やミサイルが装備されているという噂が広がっているが、どの記録にもそのような記載はない。
VR内にあるVER-TH直轄のワールド。
VER-THが現在目指している理想の世界を再現したワールドで、VRの研究に関わる社員がログインしている。ここでの意見は直接社員に届くため、移動したいものは後を絶たないが、意見が飽和しないために月に10人までという入場制限がある。それゆえに幻のワールドと呼ばれ、入場の権利を手に入れたユーザーは一時的に有名人になることがある。
また、その入場権は譲渡可能なため、ユーザー間で高値で取引されたり、賞品として使われている。
社長である松田がログインしているという噂もあり、これを知っているユーザーにとってはさらに価値の高いものとなっている。
都内に新設されたVR(Virtual Reality=仮想現実)の研究所で、一般人が最新VR技術に触れられるようVRメインのアトラクションが併設されている。
この施設で開発された技術は、VER-TH社が販売しているソフトウェアに組み込まれることが多いが、社長である松田の指示で開発されている、用途が設定されていない技術もある。
AFE(Anti Fiction Erosion)コントロールルームは、虚構侵蝕への対応を一手に担う、VER-TH本社に存在する地下施設である。
スタッフは観測者でもある室長“小津康”1人だけで、普段はAIを活用し運用している。また、人員が必要な場合は、社長名義で虚構侵蝕に関わる部分を伏せた指示を出し、対応する仕組みになっている。
VER-TH内の虚構侵蝕に関する情報コントロール、観測者と思われる情報発信から各地で発生している虚構侵蝕の把握、それに合わせて必要な情報をアクセスしやすい状態にしておくなど、通常時は間接的な対応がほとんどであるが、ごくまれに虚構侵蝕に直接介入することもある。
その場合でも、外部の観測者の手を借りる場合がほとんどで、小津が出張ることはまずない。
VER-THは、ツールや施設をより快適に、より高性能に使用するために、革新的な技術を使用したガジェットを産み出し続けている。
ここでは、その一部を紹介する。
身体の動きを100%VR内で再現するためのトラッキングスーツ。ヘッドセットと組み合わせて使う。
ほぼオーダーメイドのため高価であり、使用しているユーザーはまだ少ない。
次世代機として触覚フィードバック(何かに触ったときに、触ったと分かる)があるタイプが開発中である。
VER-THラボとVER-TH総合病院が共同開発した、汎用アシストスーツで、作業や介護だけではなく、リハビリの補助としても使用できる。従来のものとくらべて非常に高出力かつコンパクトで、上に厚手の衣服を着るだけで、装着していることが分からなくなる。
まだ市場には出回っておらず、VER-TH総合病院内での実験的使用に限られている。
AR(拡張現実)を体験できるコンタクトレンズで、装着すると全世界の至るところにVER-THが設置した、拡張現実を楽しむことができる。
都市を使った謎解きゲーム、建物を使ったリアル脱出ゲーム、郊外に設置されたARシアター、お得なショッピング情報など、用途はさまざまだ。
まだ開発中のため、試験モニターに選ばれた人々しか所持していないが、すでにネット上では話題になっており、一般発売が待ち望まれている。
液体を使用しない次世代の電池で、今までのものにくらべて同サイズで100倍近い電力容量を持ち、安定性も向上している。
液体を使用しないということから、温度や重力に左右されにくく、宇宙での運用にも適している。
実験段階ではあるが、一部実用化に成功しており、これを用いた電気自動車、アシストスーツ、スマートフォン、宇宙機などの開発運用が期待されている。
老朽化のため役目を終えるISS(国際宇宙ステーション)の後継機を製造する、CLDプロジェクトへ提出されたVER-TH社のプラン。他企業とのコンペではあるが、近年の宇宙事業での経験蓄積と巨大な予算規模により、選出が確実視されている。 これをもってVER-THの宇宙事業は区切りを迎えると、松田みずから宣言していることから、重要さがうかがえる。