虚構侵蝕TRPG

ルールブック

フィクションカード

キャラクターのいまだ実現していない願望や理想は、イデアの中に無限の可能性として潜在している。

このイデアの不確定な部分に虚構の力が作用し、ときに現実を塗り替えることがある。

この作用を“トランプ”で表現したものを“フィクションカード”と呼ぶ。また、単に「カード」と表記されている場合は“トランプ”あるいはフィクションカードを意味する。

フィクションカードは観測者のみが使用できる。

カードの準備


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シナリオにおいて虚構侵蝕が発生した時点(最初の観測ロールの直後)で、以下の①~③の手順で準備する。

①トランプを用意する

フィクションカードは1セット54枚(通常札52枚+ジョーカー2枚)を使用することで表現する。

使用するトランプはあらかじめ用意しておくこと。

トランプが不足する場合
PCに配る予定の枚数や、NPCが引く予定の枚数によって1セットでは足りなくなることがある。その場合は、セット単位で2セット・3セットとトランプを増やしてもよい。

②[山札]を作る

用意したすべてのトランプをよくシャッフルして裏向きの状態で置き、これを[山札]とする。

③[手札]を引く

プレイヤーはそれぞれ[山札]から「未使用のイデア÷2」枚だけカードを引いて[手札]とする。

ードの意味

カードに書かれているスートの違いは意味を持たず、カードのナンバーのみを参照すればよい。

カードのナンバーは下表のような意味を持つ。

ナンバー 意味
2~10 数字をそのまま値として扱う。
J、Q、K Jは「11」、Qは「12」、Kは「13」として扱う。
A 「1」また「20」のいずれかとして扱う。
JOKER JOKER以外の任意のナンバーのカードとして扱える。

カードの使用方法


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フィクションカードは[現象の上書き]または[現象の歪曲]のいずれかに使用できる。

この2種類の使用方法は“現象そのもの”を対象とし、[行動]や[割込]は必要とせず宣言のみで実行できる。ただし、宣言する観測者は、その現象を実際に“観測”していなければならない。

象の上書き

いずれかのキャラクターが行なう判定の達成値を算出した直後に[手札]を1枚選択して使用することで、達成値を「カードのナンバー」に変更する。

このとき、上書きする際に、カードの使用者が「どのように書き換えるか(演出)」を宣言する。

その後、使用したカードは[捨札]にする。

ほかのキャラクターに行なう

カードの使用者以外のPCに[現象の上書き]を行なう場合、そのPCのプレイヤーの許可を必要とする。

NPCに対して[現象の上書き]を行なう場合、GMの許可は必要ないが、NPCが[現象の上書き]に対抗する手段を持っている場合もある。

上書きの重複

[現象の上書き]を1回の判定に対して複数のキャラクターが同時に行なった場合、最も高い値の達成値に変更するフィクションカードのみが採用される。

採用されなかったフィクションカードは、出したキャラクターのプレイヤー(NPCの場合はGM)の[手札]に戻る。


例:[現象の上書き]としてナンバーが「8」のカードと「10」のカードが同時に出された場合、「10」のカードのみが採用される。「8」のカードは、出したキャラクターのプレイヤー(NPCの場合はGM)の[手札]に戻る。

象の歪曲

いずれかのキャラクターが判定を行なう直前に[手札]を1枚以上選択して使用することで、ダイスロールにおけるダイスサイズを「使用したカードの枚数」段階大きくするか小さくする(最小D4、最大D20)。

このとき、歪曲させる際に、カードの使用者が「どのように歪曲させるか(演出)」を宣言する。

その後、使用したカードは[捨札]にする。

ほかのキャラクターに行なう

カードの使用者以外のPCに[現象の歪曲]を行なう場合、そのPCのプレイヤーの許可を必要とする。

NPCに対して[現象の歪曲]を行なう場合、GMの許可は必要ないが、NPCが[現象の歪曲]に対抗する手段を持っている場合もある。

歪曲の相殺

[現象の歪曲]を1回の判定に対して複数のキャラクターが同時に行なった場合、「ダイスサイズを大きくするために使用したカードの枚数-ダイスサイズを小さくするために使用したカードの枚数」に等しい段階だけダイスサイズを変更する。


例①:ダイスサイズを大きくするために使用したカードが2枚、ダイスサイズを小さくするために使用したカードが1枚だった場合、「2-1=1」となるため、ダイスサイズは1段階大きくなる。

例②:ダイスサイズを大きくするために使用したカードが2枚、ダイスサイズを小さくするために使用したカードが4枚だった場合、「2-4=-2」となるため、ダイスサイズは2段階小さくなる。

蝕度の増加

フィクションカードを使用するたびに[侵蝕度]が増加する。

[現象の上書き]として使用した場合は、[侵蝕度]が5点増加する。

[現象の歪曲]として使用した場合は、1枚につき[侵蝕度]が1点増加する。

札の交換

シナリオ中に、さまざまな条件で[手札の交換]が発生することがある。

[手札の交換]は主に下記の条件で発生する。

  • 条件①:「歪み表」の効果によって発生する。
  • 条件②:シナリオに設定されたイベントによってカードの交換が発生する場合がある。
  • 条件③:所持品やフィクションパワーなどの効果によって発生する。

交換の枚数

  • n枚:カードをn(※「n」は整数)枚交換する。
  • n枚以下:カードをn枚以下の任意の枚数交換する。
  • n枚以上:カードをn枚以上の任意の枚数交換する。
  • すべて:すべての[手札]を交換する。

換の手順

[手札の交換]は以下の手順で行なう(※「n」は指定された交換の枚数)。

  • 手順①:[手札]をn枚選択して[捨札]にする。
  • 手順②:[山札]からn枚引いて[手札]にする。

札の補充

[手札]は基本的にシナリオが終了するまで補充されない。ただし、[歪み表]の効果や、シナリオに設定されたイベントや、フィクションパワーの効果などによって補充される可能性はある。

ードのリセット

シナリオが終了した時点で[手札][山札][捨札]をすべて回収してリセットする。

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