虚構侵蝕TRPG

ルールブック

世界解説:神話

本書における神話

構侵蝕との関係

本書において、“神話”は、長い歴史と広大な範囲を持つ虚構侵蝕もしくは[虚構の残滓]として扱う。

[虚構の残滓]にまつわる時間と範囲についての法則の詳細は「虚構の残滓」に譲るが、簡単に説明すると、自分が生まれる前から存在している[虚構の残滓]は、観測者であろうと、現実としてしか認識できない。

どの神話が虚構侵蝕でどの神話が[虚構の残滓]かについては、公式として設定しない。シナリオ単位、またはGMの判断によって設定して構わない。

話がもたらした恩恵

虚構侵蝕の基本的な考えのひとつに、“もととなる虚構を知っている存在が多いほど、その虚構による虚構侵蝕が発生しやすい”というのがある。古代に生きていた人間は、神話という虚構を信じればさまざまな奇跡(現実改変)が起こることを経験的に知っていた。

それゆえに、人類が神という存在を想定してから発生した虚構侵蝕の数は、それまでと比べて爆発的に増加した。

虚構侵蝕により人類の文明は大きく進歩し、同時に抗いようのない災厄による致命的な危機を避けることができた。

代の神話

18世紀後半の産業革命前後からは神話を信じる人が少なくなり、映画などの新しい“虚構”が浸透するまで、発生する虚構侵蝕の数も大きく減少した。

その後、虚構侵蝕自体はインターネットの普及により再び増加したが、映画を題材にしたものがほとんどで、かつてのような神話に関わる虚構侵蝕は減少する一方だった。その結果、神話として存在していた虚構侵蝕や[虚構の残滓]は、新しいコンテンツが生み出す虚構侵蝕によって次々と“上書き”され、多くの人から神話はただの“虚構”として認識されるようになってしまった。

だが、現在、神話が生まれつつあると言える。

その神話における神は、架空の存在、情報、数、AIなどであり、多くの人の信仰を集めている。

遥か後世において、その信仰が神話として語られる可能性は低くないだろう。

宗教との関係

神話は宗教と紐づいている。

古代を舞台にした神話だとしても、宗教上その内容を敬う人は数多く存在する。

ここでは、神話を扱う際の宗教との距離感や注意点を記載する。

本的な考え

本作で宗教を扱うことは、基本的には推奨していない。センシティブな内容であるし、公式ですべてをフォローできないからだ。

できる限り直接取り扱うことは避け、そして後述の通り敬意を忘れないようにすることが重要である。

意を忘れない

プレイ時に十分な準備もなく現存の宗教を扱ってしまうと、それに関わる人々を傷つけてしまう可能性がある。

前述の通り、基本的には宗教を取り扱わないことを推奨しているが、もしどうしても宗教を取り扱う必要がある場合、できる限り正しい知識を入手するべきだ。また、宗教やその教えに対し、意図的な改変を行なってはならない。

PCと対立する悪役が宗教と密接に関わっているという設定にしたとしても、その宗教を貶めたり歪めたりするのではなく、その人物自体の思想や思考を歪ませるべきである。

話と宗教の距離感

現実では神話と宗教は切っても切り離せない。

だが、虚構侵蝕で神話を題材とする場合、可能な限り宗教と切り離すことを推奨する。虚構侵蝕はその名の通り虚構でしかないため、現実での宗教との関係性は変更してしまって構わないのだ。

去の宗教

過去の宗教であっても、その教えは何らかの形で現代の宗教に関係している。

現代に存在しない宗教だからといって軽率に扱うと、その系譜に当たる宗教に関わる人々を傷つける可能性がある。

どれほど過去の宗教であっても、前述の通り、敬意を忘れずに慎重に取り扱うことを推奨する。

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