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『虚構侵蝕』では、それぞれのセッションの環境に合わせて追加できるルールを用意している。この追加できるルールを[メカニクス]と呼ぶ。
[メカニクス]は、本セクションで示してきたルールに追加して使用する。それぞれの[メカニクス]は、1種類以上の追加する先のルールが指定されている。
この[メカニクス]は、観測者の[しがらみ]にPCやNPCを設定するために追加できる。
[しがらみ]を決定する際、「しがらみ決定表」を使用する代わりに、[現実世界]に存在する任意のキャラクター1人を選択して[しがらみ]に設定できる。
その際、[しがらみ]の名称は“ キャラクター名”となる。
「余暇イベント表」を振る代わりに、プレイヤーはキャラクターの[しがらみ]をひとつ設定してもよい。
「虚構干渉表」を振る代わりに、プレイヤーはキャラクターの[しがらみ]をひとつ設定してもよい。
シナリオのイベントでキャラクターの[しがらみ]を取得させることができる。その場合は、シナリオに関係があり、かつ[現実世界]に存在するキャラクターを設定するとよい。
自分のPCを除く任意のPCを[しがらみ]に設定できる。取得する際には、そのPCを使用しているプレイヤーに許可を取ること。
現在行なっているセッションにはいないPCの[しがらみ]を新たに取得する場合、現在のセッションの参加者に取得する予定のPCの存在を知るプレイヤーが1人もいない場合は、取得を避けたほうがよい。
それでも取得したい場合は、必ず参加者の許可を得ること。また、現在行なっているセッションにはいないPCの[しがらみ]を、継続して使用するPCが取得している場合、PCの自己紹介を行なう際に、その旨をほかの参加者全員に伝えること。
他セッションのPCは、現在のセッションの参加者にとっては“ まったく関係のないキャラクター” の可能性がある。自己紹介で[しがらみ]を解説する際には、それを加味して簡単な紹介に留めておくとよいだろう。
別のセッションで自身が作成したPCの[しがらみ]を取得することもできるが、“他セッションのPC”と同様に注意して取り扱うべきだ。
任意のNPCを[しがらみ]に設定できる。このとき、公式NPCを[しがらみ]にしてもよいし、PCの家族・友人・恋人などのNPCを独自に設定して[しがらみ]にしてもよい。
公式NPCに対して[しがらみ]を取得することに制限はないが、[現実世界]に存在するNPCに限定される点に注意すること。
公式NPCを[しがらみ]に設定したい場合は、「公式NPCしがらみ決定表」を使用すること。
[現実世界]に存在する独自に設定したNPCについても取得に制限はない。PCの設定を強化・補完できるようなNPCを設定できるとよいだろう。
キャラクターに対する[しがらみ]に“ 関係” を設定してもよい。関係は「しがらみ関係決定表」を使用してROCで決定し、[しがらみ]の名称は「しがらみ名/関係」のように記入すること。
公式NPCしがらみ決定表(D100/ROC) | ||
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出目 | 公式NPC | 肩書・スポット |
1・2 | “ 預言者” 松田論 | VER-TH 社長・最高経営責任者 |
3・4 | “ フィクサー” 水月鏡花九龍 | 日本関東支部“ 紅龍” 黒幕 |
5・6 | “ストレンジテイパー”ロイド・モーガン | PHALANX CEO兼UST対策本部長 |
7・8 | “巨匠”スティーブン・クロサワ | アルカイックスタジオ・ハリウッド 映画監督 |
9・10 | フランク・グリーディー博士 | シェリー製薬 シニアスタッフサイエンティスト |
11~15 | “新米記者”檜久間成水 | 虚構タイムズ 新米記者(非観測者) |
16~20 | “万能メイド”虚影灯喫茶幻燈 | メイド長(観測者) |
21~25 | “トトっち”都鳥蜃一 | ドリヰムシアタア 支配人兼映写技師(非観測者) |
26~30 | “吉原のお稲荷様”稲成太夫吉原遊郭 | 遊女(虚構体/ 観測者) |
31~35 | “名無しの幽霊”ゆうこ(仮) | 隅田公園 幽霊(虚構体?/観測者) |
36~40 | “宗爺”三日月宗近 | 東京国立博物館 国宝(虚構体/ 観測者) |
41~45 | “北斎の末裔”トーマス・H・川村 | 東京芸術大学 美術史教授(非観測者) |
46~50 | “東照大権現”イエヤスサマ | 東照宮 神の化身(虚構体/ 観測者) |
51~55 | “卍屋店主”万纏 | アメ横地下街 卍屋店主(観測者) |
56~60 | “虚構侵蝕系Vtuber”宇津呂ミルコ | VER-Tube ネットアイドル(観測者) |
61~65 | “映画の戦士”アクションレッド | 墨東ドームシティ スーツアクター(虚構体/ 観測者) |
66~70 | “ブラッククイーン”江楠・K・仁子 | 墨東大学病院 嘱託医師(侵蝕者/ 非観測者) |
71~75 | “不幸刑事”ブルース・長谷川 | 墨東警察西分署 重犯罪課刑事(侵蝕者/ 非観測者) |
76~80 | “両国の女帝”吉良義佳 | 吉良家 当主(観測者) |
81~85 | “お嬢様会長”桜条ジュリエンヌ | 私立墨東学園 生徒会長(観測者) |
86~90 | “ザ・クロウ” マイティ・烏 | リベンジェンス リーダー(観測者) |
91~95 | “蒲大人”蒲小熊 | 拐幇 幇主(観測者) |
96~00 | “ガンシンガー”ハレルヤ金城 | 聖フィロメナ修道院 修道院長(観測者) |
選択 | GMと相談して決定 | GMと相談して決定 |
しがらみ関係決定表(1D10/ROC) | ||
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出目 | 関係 | 解説 |
1 | 家族 | 親子・兄弟姉妹・夫婦・親戚・血縁などの家族関係。 |
2 | 友情 | 友人・親友・幼なじみ・腐れ縁などの、友情で結ばれた気の置けない関係。 |
3 | 恋愛 | 恋人・片思い・肉体関係などの、恋愛にまつわる関係。 |
4 | 主従 | 上司と部下・ボスと手下・主君と臣下などの、立場の上下関係。 |
5 | 同志 | 趣味仲間・活動団体のメンバー・運命共同体などの、同じ目的に向かって活動する協力関係。 |
6 | ビジネス | 会社の同僚・取引相手などの、ビジネスで繋がっている関係。 |
7 | 師弟 | 教師と生徒・師匠と弟子などの、教えを請う側と請われる側の関係性。 |
8 | ライバル | 競技の対戦相手・競合他社の社員などの競争関係。 |
9 | 仇敵 | 自身や大切な者を害した加害者・憎悪の対象・世界の敵などの敵対関係。 |
10 | 忘却 | かつて何らかの関係性があったが、虚構侵蝕の影響で忘却している。 |
選択 | 任意 | GMと相談して任意に設定 |
追加先:キャラクター作成
この[メカニクス]は、特定の組織に所属する観測者を作成する際に、観測者の[スタンス]に組織を設定するために追加できる。
[スタンス]を決定する際、「スタンス決定表」(『虚構』P38)を使用する代わりに、「組織のスタンス決定表」を用いて[スタンス]を決定できる。
任意の組織(下部組織があれば指定可能)を選択すること。組織にはそれぞれ虚構侵蝕に対する理念があり、組織の[スタンス]を取得したキャラクターはその理念に基づいて虚構侵蝕と関わることになる。
詳細は「組織のスタンス決定表」を参照すること。
PCがシナリオ内で関わった組織に所属したいと望んだ場合、GMが許可すれば[余暇]の時点で[スタンス]を変更することができる。
[メカニクス:急成長]を採用している場合は、[余暇]と同様に[スタンス]を変更してよい。
シナリオのイベントでPCの[スタンス]を組織の[スタンス]に変更させることができる。変更先の組織は、シナリオ内でPCと接触した組織が望ましい。
組織のスタンス決定表 | ||
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組織名/下部組織 | スタンス | 虚構侵蝕に対する理念 |
VER-TH | 納得 | 虚構侵蝕が実在するなら納得するだろう。そのための仕事だったのだ(推奨現実乖離2以下)。 |
VER-TH/VRツール開発チーム | 学習 | 後学のためにも虚構侵蝕がどんなものか確かめなければ(推奨現実乖離2以下)。 |
VER-TH/VER-TH警備部 | 試行 | 虚構侵蝕での立ち回りを考える。やるべきことは現実と変わらないはずだ(推奨現実乖離2以下)。 |
VER-TH/VER-THラボ | 抑止 | 虚構侵蝕による被害を抑えたい。すべてはそのための準備だったのだから(推奨現実乖離3以上)。 |
VER-TH/情報部門 | 解析 | 虚構侵蝕を分析する。新しい情報が手に入るかもしれない(推奨現実乖離3以上)。 |
九龍 | 利用 | 虚構侵蝕で利益を得たい。有益な虚構なら定着させよう(推奨現実乖離3以上)。 |
九龍/紅龍 | 蒐集 | 虚構侵蝕から有益なものを持ち帰りたい。物でも、人でも、怪物でも(推奨現実乖離3以上)。 |
PHALANX | 任務 | 虚構侵蝕の被害から現実を守る。それがPHALANXの社訓だ(推奨現実乖離3以上)。 |
アルカイックスタジオ・ハリウッド | 金脈 | 虚構侵蝕はネタの宝庫だ。せっかくだから現実ではできない体験をして帰ろう(推奨現実乖離2以上)。 |
シェリー製薬 | 実験 | 虚構侵蝕の可能性を試したい。気にするな、実験に多少の犠牲はつきものだ(推奨現実乖離3以上)。 |
アーバイン・エレクトロニクス社 | 実践 | ついに虚構侵蝕が来た。わが社の製品の性能を試す時だ(推奨現実乖離2以上)。 |
スタジオドンブリ | 用心 | 作品が虚構侵蝕に与える影響は計り知れない。悪い影響がなければいいが。 |
D-efen-SE | 禁忌 | 虚構侵蝕など存在しない。関心を持ってはならない(推奨現実乖離2以下)。 |
MyTH | 警戒 | 虚構侵蝕の暴走を阻止するため、危険なものは封印する(推奨現実乖離3以上)。 |
アーカイブス | 記録 | 虚構侵蝕を観察し記録しなければならない。もちろん関与は最低限に(推奨現実乖離2以上)。 |
想像界 | 待望 | 虚構侵蝕は望みを叶えてくれる。やるべきことをやらなければ(推奨現実乖離4以上)。 |
追加先:キャラクター作成
この[メカニクス]は、虚構侵蝕そのものや虚構侵蝕に関する情報に触れたことのない観測者を作成するために追加できる。
この[メカニクス]を適用して作成されたキャラクターを“ 無知な観測者” と呼ぶ。「キャラクター作成」の手順に以下の修正を加えること。
「かんたん作成」および「じっくり作成」における「パーソナリティの決定」では、[スタンス]を決定せず空欄にしておくこと。
“無知な観測者”は、初めてシナリオをプレイして「終了の処理」を行なう際、「しがらみの確認」の直後に[スタンス]を決定する。手順は「パーソナリティの決定」における「スタンスの決定」と同様である。
「技能の取得」において、専門技能のうち〈虚構侵蝕※〉は取得できない。〈VER-TH※〉は取得できるが、“無知な観測者”はシナリオ中に初めて虚構侵蝕を観測するまでの間、虚構侵蝕について調べるために〈VER-TH※〉を組み合わせることができない。
“無知な観測者”の[現実乖離]が何段階目であれ、各段階の“観測者が持つ虚構侵蝕に関する情報”を知らない。これらの情報は、“無知な観測者”が初めて[余暇]または[急成長]を行なった直後に得る。
“無知な観測者”はフィクションパワーを取得できるが、シナリオ中に初めて虚構侵蝕を観測するまでは取得したフィクションパワーの存在は認識しておらず、使い方も分からない。“無知な観測者”のフィクションパワーは潜在意識にあり、それとは知らずに願望や想像という形で現われることがある。そして、ひとたび虚構世界に入ったら潜在意識にある(フィクションパワーにもとづく)願望や想像を実現できることを認識し、使用を宣言できるようになる。
追加先:データのルール
この[メカニクス]は、虚構侵蝕の影響を受けて変容した物品である“ アーティファクト” をキャラクターに使用させるために追加できる。
現実世界や虚構世界に存在する物品は、時として虚構侵蝕の影響を受けて形を変えたり、性質が変化したり、新たな特性が備わったりするなど、さまざまな変容がもたらされることがある。
このような物品は、観測者たちの間で“アーティファクト”と呼ばれている。
アーティファクトが持つ性質は多岐にわたり、その多くは特有のものである。
変容の原因となった虚構侵蝕や、元となった物品のおかれていた環境、人々の思い入れなどによって、どのような力を持つかが変わってくる。
アーティファクトの特殊な力は、[アーティファクト特性]として表現されている。
アーティファクトに備わっている虚構由来の性質は、虚構世界でのみ発現する。
現実世界でアーティファクトは、変容する前の状態の物品に戻る。発揮している効果は即座に終了するし、変容する前と物品の外見が変わっているならば、外見も元に戻る。
世界中に数多ある神話や伝承には、神・自然・超常的な存在などの力を得た特別な物品が多数存在する。
これらの物品は、現実世界にレプリカや形代などが現存しているものもあれば、実物の存在しない完全な創作物もある。
アーティファクトは、基本的に所持品と同様のデータを持つが、以下の点が異なる。
なお、本文中でアーティファクトの名称は所持品と同様に〔 〕表記を用いる。
アーティファクトには[価格]は存在せず、取得するために必要な[イデア]が書かれている。
この欄に「不可」と書かれている場合は、[イデア]を使用する方法では取得できないことを表わす。
アーティファクトには1種類以上の[アーティファクト特性]が設定されている。
[アーティファクト特性]のデータは、フィクションパワーのデータと同様のルールで扱う。また、「使用:割込」の[アーティファクト特性]は[萎縮]によって宣言できなくなる。
アーティファクトの取得は、[イデア]を使用して取得するか、シナリオ内で発生したイベントによって取得するかのどちらかの方法をとる。
以下の時点で、[未使用のイデア]を使用してアーティファクトを取得できる。
・「じっくり作成」→「⑤フィクションパワーの取得」の直後
・「終了の処理」→「増加するイデアの算出」の直後
・[余暇](または[急成長])→「②キャラクターの成長」
アーティファクトを取得するために必要な[イデア]の点数は、アーティファクトのデータに書かれている値となる。このとき、GMは取得できるアーティファクトに制限を設けてもよい。
アーティファクトをイベントで取得した場合、[虚構の収束]の処理が終了するまでの間は使用できる。 [虚構の収束]が発生した時点で、イベントで取得したアーティファクトは失われる。
ただし、GMが許可すれば、以下の時点で[未使用のイデア]を使用してイベントで取得したアーティファクトを[イデア]を使用して取得することもできる。
・「終了の処理」→「増加するイデアの算出」の直後
・[余暇](または[急成長])→「②キャラクターの成長」
追加先:データのルール
この[メカニクス]は、所持品に虚構侵蝕の影響を加えるために追加できる。
取得した所持品は現実世界では消えてしまうが、虚構世界に入った瞬間に現われることにしてもよい。
その場合、現実世界ではその所持品は使用できないが、持ち運びで人目を気にする必要はなくなる。
現実世界の物品が虚構世界において別の形状をとったり、周囲との違和感が少ないデザインに変化することがある。それは、キャラクターの持つ所持品も例外ではない。
この[メカニクス]を用いることで、所持品の形状を現実世界と虚構世界とで変容させてもよい。
どの所持品を変容させるのか、また変容させる内容は、所持品を取得した時点で取得したPCのプレイヤー(NPCであればGM)が決定すること。
現実世界と虚構世界とで所持品の外見や大きさを変容させることができる。どちらの世界でも所持品の機能に違いはなく、データも同様に使用できる。
例:〔厚手のコート〕を現実世界ではモッズコートに、虚構世界では近未来風デザインのレザーコートにする。
現実世界と虚構世界とで所持品の機能を変容させることができる。現実世界での所持品データと、虚構世界での所持品データを、それぞれ同じ種別の所持品データから選択すること。機能を変容させた所持品の「価格」は、選択したふたつの所持品のうちより高いほうの値となり、低い方の所持品の「価格」は無視する。
例:現実世界では〔中型鈍器〕(木刀)に、虚構世界では〔中型刃物〕(日本刀)にする。価格は〔中型刃物〕の「5」になる。
追加先:データのルール、判定のルール、フィクションカード、虚構侵蝕
この[メカニクス]は、シナリオ中に観測者の新たな[しがらみ]について演出することで、[しがらみ]を取得できるようにするために追加する。
GMが許可した場合、シナリオのプレイを開始する直前に、プレイヤーはシナリオで取得したい[しがらみ]を「しがらみ決定表」(P38)で決定できる。
シナリオのプレイ中に、決定した[しがらみ]についての演出を行ない、GMが了承した時点で、決定した[しがらみ]を取得する。
シナリオに観測者が[しがらみ]を取得する条件を設定することができる。設定した条件は公開しても秘匿してもよい。
[メカニクス:導入ハンドアウト](P104)を追加しているならば、ハンドアウトに設定してもよい。
「シナリオからの提示」がなかったとしても、GMが望むならばシナリオ内に観測者が取得できる可能性のある[しがらみ]を設定できる。
設定した条件は公開しても秘匿してもよい。
追加先:データのルール、判定のルール、フィクションカード、虚構侵蝕
この[メカニクス]は、シナリオにおいて現実世界で何らかの行為を試みるにあたり、適切な処理をするために追加できる。
シナリオにおいて[現実世界]で何らかのルール的な処理を行なう場合、以下の修正および処理を行なうこと。
[現実世界]では、11以上の能力値は「10」に変更される。ただし、プレイヤー(NPCの場合はGMまたはシナリオ作者)が望むならば、[現実世界]での能力値を10以下の任意の値に設定してもよいものとする。
この処理は“現実では能力が劣っているものの、虚構世界では自らが理想とする能力を獲得する”といったキャラクターの表現をしたい場合に行なうとよい。
この修正により、副能力値は一時的に“修正後の能力値”で再計算するが、【社会値】の減少によって所持品が失われることはない。
判定は“ 修正後の能力値に対応したダイスサイズ”で行なうことになる。
虚構侵蝕が発生した時点で、上記の修正はすべて解除される。その結果【HP】が増加する場合は、最大値と現在値の両方を増加させること。
[現実世界]では[クリティカル]による[手札の交換]は発生しない。また、[ファンブル]による[侵蝕度]の増加も発生しない。
[現実世界]では取得しているフィクションパワーは一切効果を及ぼさず、使用を宣言することもできない。「使用:常時」のフィクションパワーや虚構体特性の効果も[現実世界]では無視されるため、それらの効果で修正されている値は再計算すること。
虚構侵蝕が発生した時点で上記の修正はすべて解除される。その結果【HP】【装備HP】が変更される場合は、最大値と現在値の両方を変更すること。
[現実世界]では[手札]を使用することはできず、[手札の交換]や[手札の補充]を行なうこともできない。
[現実世界]では[歪み]による持続的な効果は適用されない。[虚構世界]から出て[現実世界]に入る場合は、[虚構世界]にふたたび入るまで、一時的に[歪み]の効果は失われる。
追加先:虚構侵蝕
この[メカニクス]は、虚構が定着した地域にふたたび虚構侵蝕が発生したときの影響を設定するために追加できる。
虚構侵蝕の定着や虚構の残滓は、現実世界を塗り替えてしまうだけでなく、虚構侵蝕が発生しやすくなる原因にもなり得る。
この[メカニクス]を適用したシナリオにおいて、虚構の残滓や定着による影響から、観測者はより多くのフィクションカードを取得し、[侵蝕度]は底上げされることになる。
「カードの準備」(『虚構』P76)で[手札]を引く際に、観測者は追加でカードを引く。
虚構の蓄積状況に対応した枚数だけ追加でフィクションカードを引くこと。
シナリオにおいて虚構侵蝕が発生した時点(最初の観測ロールの直後)で[侵蝕度]が追加で増加する。
「虚構の蓄積表」を参照し、虚構の蓄積状況に対応した値だけ[侵蝕度]を増加させること。
虚構の蓄積表 | ||
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虚構の蓄積状況 | フィクションカードの追加枚数 | [侵蝕度]の増加値 |
発生地域に[虚構の残滓]がひとつ以上定着している | 「虚構の残滓の定着数」枚 | 「虚構の残滓の定着数」D10 |
発生地域に虚構侵蝕がひとつ以上定着している | 「虚構侵蝕の定着数×2」枚 | 「虚構侵蝕の定着数」D20 |
追加先:虚構侵蝕
この[メカニクス]は、しがらみを消去することで[侵蝕度]を劇的に減少させるという選択肢を設定するために追加できる。
観測者は、現実世界の存続を願い、個人的な未練である[しがらみ]を世界の理として定着させることができる。こうして定着した[しがらみ]は、もはや個人的な未練ではなくなり、現実世界の一部に昇華する。
昇華された[しがらみ]はより強固な概念となり、現実世界は虚構侵蝕の影響を受けづらくなるが、観測者自身による[しがらみ]自体へのこだわりは、現実に繋ぎ止める動機づけとして機能しない程度に薄れてしまう。
例えば、観測者の“恋人”への[しがらみ]が昇華された場合、世界にその“恋人”が存在するのが“当たり前”になる。その結果、ふたたび虚構侵蝕に“恋人”が巻き込まれたとしても、虚構侵蝕の基本法則によって消えたり変容したりすることがなくなるのだ。ただし、観測者が抱く“恋人”への強いこだわりは薄れ、最悪の場合は恋愛感情が冷めてしまう可能性もある。
昇華された[しがらみ]に対してどのような変化が発生するかは、GMと相談したうえでプレイヤーが決定してよい。
[しがらみ]をひとつ以上取得している観測者は、[虚構の収束]において[侵蝕度]を減少させるための観測ダイスを振る直前に[しがらみの昇華]を宣言することができる。
宣言した場合、以下の手順で処理を行なうこと。
取得している[しがらみ]を任意の数だけ選択する。
選択した[しがらみ]ひとつにつき観測ダイスに+2個する。
例:観測者Aは取得している3つの[しがらみ]のうちふたつを昇華することにした。結果、[侵蝕度]を減少するための観測ダイスは7個(元の3個+昇華ぶん「2+2」個)になる。
②の処理が終わった時点で、①で選択した[しがらみ]を消去する。
追加先:虚構侵蝕
この[メカニクス]は、シナリオで100を超えた[侵蝕度]で発生する[歪み]を追加した「拡張歪み表」を使用するために追加できる。
「歪み表」では[侵蝕度]100までの[歪み]を扱っているが、この[メカニクス]を追加すると、[侵蝕度]が100を超えても[歪み]が発生する。
この[メカニクス]を追加して遊ぶシナリオでは、「歪み表」の代わりに「拡張歪み表」を使用すること。
この表で追加されている[侵蝕度]100を超えた[歪み]では、[侵蝕度]の増加により現実よりも虚構の割合が増しているため、だんだんと虚構世界は安定していく。さらに、[侵蝕度]200を超えた[歪み]では、どんな突飛な現象が起こってもおかしくない混沌とした状況になっていく。
「拡張歪み表」は[メカニクス:歪みのカスタマイズ]を用いて作成しているが、[歪みによる障害]は考慮しなくてよいものとする。
拡張歪み表 | |
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侵蝕度 | 歪み |
0 | 観測者は現実への影響がまったくないと感じている。 |
5 | 観測者の周囲の景色が刹那に揺らぐ。 効果:観測者は[歪み]が発生していることをはっきりと認識する。 |
10 | 観測者は虚構と現実の境目が曖昧になる。 効果:観測者は[山札]から1枚引き[手札]に加える。 |
20 | 観測者は虚構と現実の境目が一瞬分からなくなる。 効果:[手札の交換:1枚以上]を行なう。 |
30 | 観測者は虚構からの拒絶の意思を感じる。 効果:観測者はそれぞれ観測ダイスを1個振り①②のいずれかを選択する。 ①:出目に等しいダメージを受ける ②:出目に等しい値だけ[侵蝕度]を増加させる。 |
40 | 観測者は虚構を現実だと錯覚することが多くなる。 効果:観測者は[山札]から1枚引き[手札]に加える。 |
50 | 観測者は虚構が自らと混じり合っていくのを感じる。 効果:シナリオの間、観測者はすべての判定のダイスに+1個する。 |
60 | 観測者は虚構が侵蝕するさまに惹きつけられる。 効果:観測者は[山札]から1枚引き[手札]に加える。 |
70 | 観測者は虚構と現実が溶け合い、すべての現象が曖昧になっていくのを感じる。 効果:シナリオの間、判定が発生するたびに、その判定の難易度は[山札]から1枚引いたカードのナンバー(最小で元の難易度)に変更される。 |
80 | 観測者は虚構と現実の違いが分からなくなる。 効果:[手札の交換:すべて]を行なう。 |
90 | 観測者は虚構と混じり合い、万能感を覚える。 効果:シナリオの間、観測者はすべての判定のダイスに+1個する。 |
100 | 観測者は虚構と現実が完全に溶け合い、景色や事象は常に移ろう。 効果:シナリオの間、([侵蝕度]70の代わりに)判定が発生するたびに、その判定の難易度は[山札]から2枚引いたカードのナンバーの合計(最小で元の難易度、最大20)に変更される。 |
120 | 虚構が観測者の欲望を刺激し、“願いを叶えよ” と誘惑してくる。 効果:観測者は[手札の補充:3枚以下]を行なう。その後、[侵蝕度]を「補充した[手札]の枚数×3」点増加する。 |
140 | 観測者は自身が虚構世界においてより存在感が増していることを認識する。 効果:観測者は観測ダイスを1個振る。[虚構の収束]が発生するまでの間、出目に等しい値だけ【HP】の最大値が増加する。この増加にともない【HP】の現在値も同じ値だけ増加する。 |
160 | 虚構世界は安定の兆しを見せる。 効果:シナリオの間、([侵蝕度]100の[歪み]の代わりに)判定が発生するたびに、その判定の難易度は[山札]から1枚引いたカードのナンバー(最小で元の難易度)に変更される。 |
180 | 虚構が無限の可能性を生み出す。 効果:観測者は[手札]をすべて[捨札]にする。その後、[山札]と[捨札]をあわせてシャッフルして新たな[山札]を作り、観測者はその[山札]から「[捨札]にした枚数」枚引き[手札]に加える。 |
200 | 虚構世界は完全に安定し、現実の気配は消え去る。 効果:[侵蝕度]160の[歪み]の効果は失われ、判定の難易度は元の値になる。[虚構の収束]で[侵蝕度]を200未満に減少させることができなければ、観測者の[現実乖離]はさらに1段階(合計で2段階)上昇する。 |
210 | 観測者の攻撃性や破壊衝動が虚構世界を崩壊に導く。 効果:観測者は[攻撃]のダメージを算出の際に[山札]から1枚([クリティカル]が発生している場合は2枚)引き、ダメージに+「カードのナンバーの合計」する。 |
240 | 虚構世界の重力が歪み、すべてのモノが大地の楔から解き放たれる。 効果:シナリオの間、虚構世界に存在するキャラクターは[飛行]を得る。この[飛行]は[虚構の収束]の直後までいかなる方法でも解除されない。 |
270 | 虚構世界の空間が歪み、距離の概念が崩壊する。 効果:虚構世界に存在するキャラクターが行なうあらゆる行動・効果の「射程」は「視界」に変更される。 |
300 | 虚構が真実を覆い隠す。 効果:プレイヤーは[侵蝕度]の現在値を確認できなくなる。以降[観測ロール]はGMが行ない、結果は秘匿される。 |
追加先:アクションシーン
この[メカニクス]は、アクションシーンを処理する方法として[陣営モード]を選択するために追加できる。以降は、[演出モード]と差異がある処理と、[陣営モード]にのみ存在する処理について解説する。
[陣営モード]を選択した場合は「虚構侵蝕シート」の中にある陣営マップを使用する。また、後述する3つのエリア(敵陣⇔乱戦⇔自陣)の位置関係が守られていれば、独自に用意したマップを使用してもよい。
[陣営モード]では[自陣エリア][乱戦エリア][敵陣エリア]の3箇所のエリアで位置関係を表わす。
[陣営モード]では、「ラウンドの開始:①参加者の確認」の時点でマップ上のエリアに参加者を示すコマが配置されているかを確認する。もし配置されていなければ、新たにコマを配置する。
コマの配置は次の①~③の手順で行なう。
GMはエネミーの参加者を[敵陣エリア]か[乱戦エリア]のいずれかに配置する。このとき、アクションシーンの状況によって[敵陣エリア]か[乱戦エリア]のどちらかにしか配置できないことにしてもよい。
プレイヤーは、PCを各自[自陣エリア]か[乱戦エリア]のいずれかに配置する。また、GMはPCの味方となるNPCを[自陣エリア]か[乱戦エリア]のいずれかに配置する。このとき、アクションシーンの状況によって[自陣エリア]か[乱戦エリア]にしか配置できないことにしてもよい。
観測者陣営にもエネミー陣営にも属さないNPCが参加している場合、GMは状況に合わせて[自陣エリア][乱戦エリア][敵陣エリア]のいずれかに配置する。
基本的には[演出モード]と同様に処理を行なう。ただし、手番中に行なえる[行動]や[割込]は「ラウンド進行でのアクション(陣営モード)」を参照すること。
所持品やフィクションパワーなどに効果に設定されている[陣営モード]用の「射程」と「対象」を用いる。詳細は「射程一覧表」および「対象一覧表」を参照すること。
[陣営モード]では、[射程]内のエリアに存在する参加者から[対象]を選択する。
キャラクターが現在のエリアから別のエリアに移ることを“移動”と呼ぶ。
ラウンド進行でのアクション(陣営モード) | ||
---|---|---|
使用 | 行動 | 解説 |
行動 | 行為 | 10秒以内で完了できる行為を行なう。必要であれば判定を行なう。 |
攻撃 | [攻撃]を行なう。 | |
隠密 | 隠れられる状況(GMが判断)でのみ宣言できる。[隠密]を得る。 | |
発見 | 隠れている存在を積極的に探す。詳細は[隠密]の項を参照すること。 | |
逃走 | [自陣エリア]にいる場合のみ宣言できる。[逃走]を得て、即座に手番を終了する。 | |
効果の使用 | 「使用:行動」の所持品やフィクションパワーなどの効果を使用する。 | |
割込 | 移動 | [行動]の直前または直後に宣言する。隣接するエリアに移動する。[移動]は手番ごとに1回まで宣言できる。 |
準備・収納 | [行動]の直前または直後に宣言する。1個の[収納]している所持品を[準備]するか、1個の[準備]している所持品を[収納]する。[準備][収納]は、手番ごとにいずれかを1回まで宣言できる。 | |
協力 | [未行動]のとき、あなた以外の[行為]または[攻撃]に対して宣言する。あなたは協力者となり、協力効果を1種類選択して主体者の判定に適用する。その後、あなたは[行動済]となる。 | |
防御 | [攻撃]を受けたときに宣言する。[防御]を行なう。[防御]は1回の[攻撃]に対して1回まで宣言できる。 | |
進入妨害 | 同じエリアの参加者が[自陣エリア](エネミーの場合は[敵陣エリア])方向の隣接するエリアに進入する直前に宣言する。その参加者の進入を妨害し、現在のエリアに留まらせる。[進入妨害]は1ラウンドに1回まで宣言できる。 | |
待機 | 手番を開始する直前に宣言する。[待機]を得て、[行動済]になることなく即座に手番を終了する。 | |
待機の解除 | [待機]を得ているとき、「手番→①手番キャラクターの決定」の任意の時点で宣言する。[待機]を解除し、即座に手番を開始する。 | |
撤退 | [逃走]を得た状態でラウンドを終了した時点で宣言する。アクションシーンから除外される。 | |
効果の使用 | 「使用:割込」の所持品やフィクションパワーなどの効果を使用する。 |
追加先:ダメージと状態
この[メカニクス]はキャラクターが高所から落下した際の処理を行なうために追加できる。
キャラクターが何らかの原因で落下距離が2m以上の高所から落下した時点で、落下ダメージが発生する可能性がある。
落下したキャラクターは、とっさに体勢を整えて落下先の地面に上手く着地できる可能性がある。
落下したキャラクターは難易度「落下距離(m)×2」の〈運動〉判定を行なうことができる。この判定に[成功]した場合、「落下ダメージの算出」の際に受けるダメージを最小限に留めることができる。
落下ダメージは落下距離によって算出される。
落下距離が1mごとに1D6を振り、その出目の合計値が受けるダメージとなる。
もし、着地のための〈運動〉判定に[成功]している場合は、落下距離が1mごとに1ダメージとなる。
例:3mある崖から落下してしまった。着地のための難易度6の〈運動〉判定に[失敗]したため、3D6を振った結果、出目が「2」「5」「6」となり、出目の合計値「13」点が落下で受けるダメージとなる。もし〈運動〉判定に[成功]していれば受けるダメージは3点だった。
追加先:ダメージと状態
この[メカニクス]は、肉体の特定の部位へのダメージに関する処理を行なうために追加できる。
キャラクターの肉体の形状によって、それぞれ持つ部位は異なる。
人型の肉体を持つキャラクターであれば“頭・目(左右で2箇所)・耳(左右で2箇所)・胴・腕(左右で2箇所)・脚(左右で2箇所)”の部位を持つが、人型ではない肉体を持つキャラクターはこれに当てはまらない。
四足歩行の獣であれば腕(左右で2箇所)の代わりに脚(前後左右で4箇所)の部位を持つし、蛇やワームなどの細長い生物であれば腕と脚は持たない。
人型以外のキャラクターがどのような部位を持つかはGMが決定するか、シナリオ作者があらかじめ設定しておくこと。
虚構体特性を取得して人型以外の肉体を持つキャクターを作成したプレイヤーは、GMと相談して独自の部位と負傷した際の影響を設定することができる。
NPCの場合は、GMまたはシナリオ作者が任意に独自の部位と負傷した際の影響を設定してよい。
肉体の特定の部位にダメージを受けたとき、キャラクターの行動に深刻な影響を及ぼすことがある。このような状態を[部位の負傷]と呼ぶ。
キャラクターがダメージを受けたときに[部位の負傷]が発生するかどうかの判断は基本的にGMが行なうが、後述の[部位狙い]によっても発生する可能性がある。肉体の各部位ごとの負傷による影響は、「部位の負傷表」(下表)を参照すること。
部位を負傷したキャラクターは、[治療](【装備HP】を回復する手段でのみ【HP】を回復できるキャラクターは[修理])によって負傷した部位の回復を試みることができる。
負傷した部位を1箇所選択し、通常通り[治療]([修理])を行なう。その結果、【HP】を「治療(修理)を受けたキャラクターの【身体】」点以上回復できれば(最大値を超えた値も計算に入れる)、負傷した部位を回復できる。この[治療]([修理])は負傷した部位1箇所ごとに1回ずつ行なえる。
部位の負傷表 | |
---|---|
部位 | 負傷による影響 |
胴 | 胴を負傷したキャラクターは[萎縮]を受ける。胴の負傷による[萎縮]は、通常の方法や[萎縮]を解除する効果では解除できず、胴の負傷が回復するまで持続する。 |
頭 | 頭を負傷したキャラクターは[散漫]を受ける。頭の負傷による[散漫]は、通常の方法や[散漫]を解除する効果では解除できず、頭の負傷が回復するまで持続する。この部位に[部位の欠損]を受けた時点で[死亡]する。 |
目 | 目を負傷したキャラクターは視覚が影響する〈探知〉判定に[不利]を受ける。すべての目を負傷したキャラクターは視覚が影響する〈探知〉判定に自動的に[失敗]し、攻撃判定および防御判定に[不利]を受ける。また、射程が「遠」「超遠」「視界」(戦術モードの場合は5以上)の対象を選択できない。 |
耳 | 耳を負傷したキャラクターは聴覚が影響する〈探知〉判定に[不利]を受ける。すべての耳を負傷したキャラクターは聴覚が影響する〈探知〉判定に自動的に[失敗]する。 |
腕 | 腕を負傷したキャラクターは[手持]スロットを1箇所失う。すべての腕を負傷したキャラクターは手を用いた行動を一切行なえなくなる。 |
脚 | 脚を負傷したキャラクターは【移動値】が半分になり、[移動]は[割込]ではなく[行動]で行なう。すべての脚を負傷したキャラクターは[装着(足)]スロットを失い、【移動値】が「0」になる。脚の負傷を受けたキャラクターが[飛行]を得ているか乗物に[搭乗]している間は、脚の負傷による影響を受けない。 |
独自 | GMと相談して任意に決定してよい。 |
肉体の特定の部位にダメージを受けた結果、その部位が欠損することがある。このような状態を[部位の欠損]と呼ぶ。
キャラクターがダメージを受けたときに[部位の欠損]が発生するかどうかの判断はGMが行なうが、後述の[部位狙い]によっても発生する可能性がある。
[部位の欠損]を受けた部位は常に負傷による影響を受け、[部位の負傷]を回復する方法では回復できない。
[部位の欠損]は、[部位の欠損]を回復する特別な効果でのみ回復する。
欠損した部位を補う機能を持つ補助器具や義体の技術は日々進化を続けているが、現在の技術力でも欠損した部位を完全に補うことは難しい。しかし、虚構世界では生身の部位と同等以上の機能を発揮する義体のアーティファクトが存在するという報告もある。
所持品の中には、補助器具や義体としての機能を持つものも存在する。
ただし、正常な部位を義体に置き換えた場合、その義体を取り外せば[部位の欠損]を受けている状態になる点に注意すること。
キャラクターが「対象:n体」の[攻撃]を行なうとき、同時に[部位狙い]を宣言することができる。
[部位狙い]には通常の[攻撃]よりも繊細なコントロールが必要になるため、攻撃判定には狙う部位によってダイスの個数に修正が加えられる。
部位狙い表 | |
---|---|
部位 | 攻撃判定 |
胴 | ダイス-1個 |
頭 | ダイス-3個 |
目 | ダイス-3個 |
耳 | ダイス-3個 |
腕 | ダイス-2個 |
脚 | ダイス-2個 |
独自 | GMと相談 |
ダイスの個数を修正した攻撃判定で[クリティカル]が発生した場合、[クリティカル]によるダメージ増加の代わりに[部位狙い]が成立する。[クリティカル]でなければ通常の[攻撃]と同様の処理を行なう。
[部位狙い]が成立した場合、[攻撃]の対象へのダメージにより【HP】の現在値が一度に下表の値以上減少すれば、[部位の負傷]または[部位の欠損]が発生する。
負傷・欠損ダメージ表 | ||
---|---|---|
サイズ | 負傷 | 欠損 |
通常 | 対象の【身体】+10 | 対象の【身体】+20 |
小型 | 対象の【身体】 | 対象の【身体】+10 |
大型 | 対象の【身体】+20 | 対象の【身体】+40 |
巨体 | 対象の【身体】+30 | 対象の【身体】+60 |
超巨体 | 対象の【身体】+60 | 対象の【身体】+120 |
追加先:セッションの進行
この[メカニクス]は、シナリオの導入をスムーズに行なうために、あらかじめプレイヤーに導入の情報を公開するために追加できる。
導入ハンドアウトは、「タイトル」「推奨データ」「内容」で構成される。
PC全員をまとめてシナリオに導入したい場合は、PC全員に向けての導入ハンドアウトを1種類だけ用意すればよいだろう。
PCごとに個別の導入を行ないたい場合や、PCの導入を複数のグループに分けて行ないたい場合は、必要な数だけ導入ハンドアウトを用意するとよい。
導入の立場や役割を表わす題名。その導入が取る立場を一言で表わしたものがよいだろう。
[かんたん作成]でキャラクター作成を行なう場合に推奨する観測者テンプレートを、選択する可能性のあるプレイヤーの人数以上の数だけ提示する。
また、[じっくり作成]でキャラクター作成を行なう場合に取得を推奨する技能や所持品などを提示する。
実際にどのような導入が行なわれるかの概要を表わす文章。文章が短すぎれば必要事項が網羅できないし、長すぎれば読むプレイヤーにストレスを与えてしまう。適度な長さを心がけてしてほしい。
一番に優先すべきは、“導入で伝えなければならないことを書く”ことだ。どのような立場でどのような動きをすればよいかが透けて見える程度に書くとよいだろう。なぜなら、下手にそれらを隠して書くと、何をやったらよいかが伝わらず、シナリオの進行に支障をきたす可能性があるからだ。
また、立場・性別・年齢などを指定する必要のある類の導入以外では、それらを極力指定せずプレイヤーが自由に設定できるようにするとよいだろう。
導入ハンドアウトの内容を、選択したプレイヤーのみに公開するように設定することもできる。これを“秘匿ハンドアウト”と呼ぶ。
秘匿ハンドアウトを採用することで、PC同士の立場や状況が、お互いに分からない状態を作り出すことができる。そして、然るべきタイミングや方法で公開されることにより、情報が点と点が線でつながり、新たな視点をもたらすことができる。
秘匿ハンドアウトは、遅くとも[虚構の収束]の直前までには公開されていなければならない。
公開の条件は、以下を参考に自由に設定してよい。
追加先:セッションの進行
この[メカニクス]は、シナリオの大きな流れの段階を明示するために追加できる。
シナリオの導入部である。PCは導入フェイズを通じてシナリオに関わるきっかけを与えられる。
導入フェイズでは、“観測者が[虚構侵蝕]に巻き込まれるまで”を必要な任意の数のイベントで描く。
必要なイベントを終えたら、[調査フェイズ]へ進む。
PC全員の導入を同じイベントで同時に行なう。各PCは同じ状況でシナリオに関わることになる。
PC全員が友人同士ということを想定するのであれば、行きつけのスポットで一緒にいるところから始めるか、友人同士でシナリオの舞台となる場所周辺に遊びに行くところから始めることにしてもよいだろう。
それぞれのPCに導入を用意し、順番に導入を行なう。または、複数のPCのグループをいくつか用意して、グループごとに導入を行なうなど。
PCごとに細かい設定を用意できれば、シナリオに対する当事者性を強く持たせたり、PCごとに当事者性の差を付けたりできる。
シナリオで発生した[虚構侵蝕]について調査を進めるフェイズである。PCは発生した[虚構侵蝕]の影響に翻弄されながらも、[虚構侵蝕]を元に戻すために行動することになる。
調査フェイズでは、“[虚構侵蝕]が発生した直後から、その真相(原因や虚構核の正体など)を明らかにするまで”を必要な任意の数のイベントで描く。
必要なイベントを終えたら、[解決フェイズ]へ進む。
[虚構侵蝕]の原因を取り除き、[虚構侵蝕]を元に戻すフェイズである。PCは[虚構侵蝕]を元に戻すため、シナリオで最大の困難に立ち向かうことになる。
解決フェイズでは、“[虚構侵蝕]の原因を取り除き、[虚構侵蝕]を元に戻すまで”を必要な任意の数のイベントで描く。
必要なイベントを終えたら、[終了フェイズ]へ進む。
[虚構侵蝕]を元に戻した(あるいはそれに失敗した)後に、“シナリオの結末がどうなるのか”、“それぞれのPCがこれからどうするのか”などを演出するフェイズである。
終了フェイズでは、“シナリオの結末や各PCの身の振り方など”を必要な任意の数のイベントで描く。
必要なイベントを終えたら、シナリオは終了する。
追加先:セッションの進行
この[メカニクス]は、シナリオの導入をスムーズに行なうために、あらかじめプレイヤーに導入の情報を公開するために追加できる。
シナリオにおける特定の行動を[タスク]と呼ぶ。[タスク]には、シナリオの進行に必要な[進行タスク]と、シナリオの進行には直接寄与しない[脇道タスク]が存在し、これらを好きな数だけ自由に設定できる。
[タスク]は任意の時点で必要な数だけ提示できる。
[進行タスク]は、[虚構侵蝕]が発生した時点で1種類以上を提示するのが望ましい。
[脇道タスク]は、[虚構侵蝕]の発生以降に、順次行なえるものを提示するとよい。
[タスク]を解決するため条件(解決方法)を満たした時点で解決し、その[タスク]は消去される。
タスクの情報は「タスク名」「解決方法」「結果」の項目で構成される。
[タスク]の題名。基本的には自由につけてよいが、短くまとめたほうが伝わりやすい。
タスク名を表記する際は、「進行タスク:~~(タスク名)」「脇道タスク:~~(タスク名)」のように、[進行タスク]か[脇道タスク]かを判別できるようにすること。
[タスク]を解決するために必要な条件。以下の例を参考に自由に決定してよい。
判定:タスクを選択すると判定が発生する。特定の判定を行ない[成功]することで解決できる。
アクションシーン:タスクを選択するとアクションシーンが発生する。アクションシーンを解決することでタスクを解決できる。
演出:タスクを選択すると演出が発生し、演出を終えた時点で解決する。
そのほか:上記以外で自由に解決方法を設定できる。ルールの処理によらない解決方法を設定してもよい。
解決した結果を設定する。設定する結果としては、「PCに情報が与えられる」「状況が変化して新たな展開が演出される」「シナリオが解決する」など、さまざまなものが考えられる。
汎用的な脇道タスク | |||
---|---|---|---|
タスク名 | 提示 | 解決方法 | 結果 |
調達 | [虚構侵蝕]発生直後 | 判定:〈社交〉難易度「価格」 | GMが許可した「価格:達成値以下」の所持品を1個取得する。 |
休息 | [虚構侵蝕]発生直後 | 宣言のみ | [治療][修理]をそれぞれ1回ずつ行なえる。 |
VER-TH | [虚構侵蝕]発生直後 | 宣言のみ | VER-THにアクセスする。[手札の交換:1枚以上]を行なう。 |
追加先:セッションの進行
この[メカニクス]は、シナリオにおける時間単位とPCの行動回数を管理するために追加できる。
シナリオ内における時間単位を“ピリオド”と呼ぶ。
この時間単位は概念的なものであり、シナリオで運用する際にひとつのピリオドあたりの時間の長さ(1時間・3時間・6時間etc...)を自由に決めてもよいし、明確な時間の長さを決めないまま運用してもよい。
ひとつのピリオドにおいて、PCはそれぞれ1回の[行動]を行なえる。
ひとつのピリオドの長さがいくら長く設定されていたとしても、例外なくひとつのピリオドごとに[行動]は1回となる。シナリオの内容によって違和感のない時間の長さを決めるか、明確な長さが必要なければ曖昧にしてしまうとよい。
この[メカニクス]を運用する場合、シナリオに必要な任意の数のピリオドを設定できる。ピリオドの数え方は「1ピリオド、2ピリオド……」となる。
ピリオドは以下の手順①~⑨で進行する。
ピリオド進行の開始を宣言する。ピリオド進行の開始は、シナリオにおけるイベントの最中でなければいつでも宣言できる。
GMは開始したピリオド進行のピリオド数を宣言する。宣言されたピリオド進行では、GMが宣言した回数だけピリオドが発生することになる。
ピリオド数を提示したら、ピリオドを開始する。
PC全員はピリオドの開始時に[未行動]となる。[未行動]のPCは[行動]の権利を1回ずつ得る。
[行動]を行なうPC(以後、[行動PC])を決定する。
基本的には、[行動]を行なう順番はプレイヤー同士で相談して自由に決定できる。どのような行動を行なうかを思いついたプレイヤーからPCの[行動]を行なうとよい。
ただし、シナリオの状況によっては、PCの[行動]順番を自由に設定できない場合もある。そのような場合は、GMがPCの[行動]順番を指定すること。
[行動PC]は[行動]で何を行なうかを宣言する。
宣言できる[行動]の内容はシナリオにおける現在の状況をもとにプレイヤーが自由に宣言するか、GMから宣言できる[行動]の内容を提示すること。
[行動PC]は、宣言した[行動]の処理を行なう。その後、[行動PC]は[行動済]となる。
現在のピリオドにおいて、[未行動]のPCがいるかどうかを確認する。
[未行動]のPCがいる場合は「④行動するPCの決定」に戻り、手順⑦まで同様の処理を行なう。PC全員が[行動済]の場合は、「⑧ピリオドの終了」に進む。
現在のピリオドを終了する。
この時点でピリオドがまだ残っている場合は、「③ピリオドの開始」に戻り、次のピリオドを開始する。
ピリオドが残っていないか、途中でピリオド進行を打ち切りたい場合は、「⑨ピリオド進行の終了」に進む。
「②ピリオド数の宣言」で宣言したピリオド数を終えるか、ピリオド進行を途中で打ち切った時点で、ピリオド進行は終了する。
追加先:セッションの進行
この[メカニクス]は、シナリオに[虚構侵蝕]を元に戻すこと以外の、達成するとボーナスをもらえる条件を設定するために追加できる。
シナリオに[特殊条件]が設定されている場合、[虚構侵蝕]を元に戻したうえで[特殊条件]を達成することで、[特殊条件]に設定されている値だけ参加したPCの[イデア]が増加する。
[特殊条件]ひとつごとに得られる[イデア]は、「[虚構侵蝕]を元に戻した」で得られる[イデア]の半分以下であることが望ましい。
また、[特殊条件]で得られる[イデア]の合計値は、「[虚構侵蝕]を元に戻した」で得られる[イデア]と同値以下であることが望ましい。
追加先:セッションの進行
この[メカニクス]は、周囲の環境を細かく表わすために追加できる。
環境は[明度][地形][気温][天気][風量]の5種類に大きく分かれ、この一部のみを使用してもよいし、すべてを使用してもよい。各環境の詳細は「環境一覧表」を参照すること。
場所の明るさを表わす必要がある場合は[明度]のルールを用いる。
アクションシーンにおいては、[演出モード]であれば全体で1種類、「陣営モード」および[戦術モード]では、エリアごとに1種類の[明度]を設定できる。
なお、[明度]を指定しない場合は常に[明るい]ものとして処理を行なう。
イベントの場面で特別な地形を表わしたい場合は[地形]のルールを用いる。
アクションシーンにおいては、[演出モード]であれば全体で1種類、[陣営モード]および[戦術モード]であればエリアごとに1種類ずつ配置できる。
なお、[地形]を指定しない場合は常に[平地]が配置されているものとして扱い、表記は省略してよいものとする。
屋外において気温の高さを表わす必要がある場合は[気温]のルールを用いる。
アクションシーンにおいては、全体で1種類を配置できる。
なお、[気温]を指定しない場合は常に[温暖]であるものとして処理を行なう。
屋外において空の様子を表わす必要がある場合は[天気]のルールを用いる。
アクションシーンにおいては、全体で1種類を配置できる。
なお、[天気]を指定しない場合は常に[晴天]であるものとして処理を行なう。
屋外において風の強さを表わす必要がある場合は[風量]のルールを用いる。
アクションシーンにおいては、[演出モード]であれば全体で1種類、[陣営モード]および[戦術モード]であればエリアごとに1種類ずつ配置できる。
なお、[風量]を指定しない場合は常に[無風]であるものとして処理を行なう。
環境一覧表 | ||
---|---|---|
環境 | 影響 | |
明度 | 明るい | 光源によって十分な明るさが保たれていることを表わす。 [明るい]エリアに利益や不利益はない。 |
薄暗い | 光源はあるが十分ではなく薄暗いことを表わす。 [薄暗い]エリアでは視覚が影響する〈探知〉判定に[不利]を受ける。 |
|
暗闇 | 光源がなく暗闇であることを表わす。 [暗闇]エリアでは視覚が影響する〈探知〉判定は自動的に[失敗]し、攻撃判定および防御判定には[不利]を受ける。また、別のエリアから[暗闇]エリアのキャラクターを対象として選択できない。 |
|
地形 | 平地 | なだらかな地面、あるいは完全な平面であることを表わす。 [平地]エリアによる利益や不利益はない。 |
水中 | 河川や海などの水中であることを表わす。また、液状のもので占められているのあれば、水でなくとも[水中]であるものとして扱う。 [水中]エリアではすべての判定に[不利]を受ける。また、[水中]以外のエリアから[水中]エリアに進入した時点、および[水中]エリアで[移動]を行なう直前に、難易度3の〈運動〉判定([搭乗]を得ている場合は〈操作〉判定)を行ない、[失敗]すると[硬直]を受ける。 さらに、手番を開始するたびに難易度3の〈頑健〉判定を行ない[失敗]すると【HP】の現在値が5点減少する。 戦術モード:[水中]エリアに進入するためには【移動値】を「2」使用する必要がある。 |
|
砂地 | 地面が砂の層によって不安定であることを表わす。 [砂地]エリアでは、近接攻撃に対する防御判定に[不利]を得る。 戦術モード:[砂地]エリアに進入するためには【移動値】を「2」使用する必要がある。 |
|
雪原 | 地面が積雪によって不安定であることを表わす。 [雪原]エリアでは、近接攻撃に対する防御判定に[不利]を得る。 戦術モード:[雪原]エリアに進入するためには【移動値】を「2」使用する必要がある。 |
|
泥濘 | 地面が泥濘によって不安定であることを表わす。 また、[泥濘]以外のエリアから[泥濘]エリアに進入した時点、および[泥濘]エリアで[移動]を行なう直前に難易度3の〈運動〉([搭乗]を得ている場合は〈操作〉判定)判定を行なう。[失敗]すると[硬直]を受ける。[泥濘]エリアでは、近接攻撃に対する防御判定に[不利]を得る。 戦術モード:[泥濘]エリアに進入するためには【移動値】を「2」使用する必要がある。 |
|
氷上 | 地面が氷に覆われていて不安定であることを表わす。 [氷上]以外のエリアから[氷上]エリアに進入した時点、および[氷上]エリアで[移動]を行なう直前に難易度4の〈運動〉([搭乗]を得ている場合は〈操作〉判定)を行なう。[失敗]すると[硬直]を受ける。 |
|
溶岩 | 地面が高温によって溶解していることを表わす。 [溶岩]エリアに進入するたびに20点のダメージを受ける。また、[溶岩]エリアに停止している間、常に[崩壊20]を受ける。この[崩壊]は通常の方法では解除できず、[溶岩]エリアを離れた時点で自動的に解除される。 [溶岩]エリアの液状の層が浅い場合は、上記に加えて[泥濘]と同様の処理を行なう。 [溶岩]エリアが液状の層で占められている場合は、上記に加えて[水中]と同様の処理を行なう。 |
|
気温 | 温暖 | 温暖で過ごしやすい気温であることを表わす。 [温暖]による利益や不利益はない。 |
寒冷 | 行動に支障をきたすほどに気温が低いことを表わす。 [寒冷]である間、すべての判定に[不利]を受ける。 |
|
焦熱 | 大地を焦がすほどに気温が高いことを表わす。 [焦熱]である間、すべての判定に[不利]を受ける。また、[氷上]の地形を設置することができず、すでに設置されている場合は即座に解除される。 |
|
天気 | 晴天 | 雲がほとんどなく晴れていることを表わす。 [晴天]による利益や不利益はない。昼間の屋外であれば“日の当たる場所”となる。 |
曇天 | 空が曇に覆われているいることを表わす。 昼間の屋外は“日の当たる場所”ではなくなる。 |
|
雨雪 | 空が雲に覆われていることに加えて、雨や雪が降っていることを表わす。 昼間の屋外は“日の当たる場所”ではなくなる。また、聴覚を用いた〈探知〉判定に[不利]を得る。 |
|
風量 | 無風 | 風がほとんど吹いていないことを表わす。 [無風]による利益や不利益はない。 |
強風 | 強い風が吹いていることを表わす。 [飛行]を得ているキャラクターはすべての判定に[不利]を受ける。 |
|
暴風 | 暴れるように風が吹き荒れていることを表わす。 すべてのユニットは[飛行]を得ることができない。[飛行]を得ている最中に[暴風]に変化した場合は、即座に[飛行]が解除される。 |
追加先:セッションの進行
この[メカニクス]は、シナリオ中に非観測者のキャラクターを観測者に覚醒させるために追加できる。
非観測者が虚構侵蝕に接触することで、まれに虚構を認識する能力を得て観測者になることがある。
シナリオ中に非観測者のキャラクターが観測者になった場合、以下の処理を行なうこと。
[現実乖離]の段階は通常の観測者と同様に決定する。ただし、この時点では[現実乖離]が何段階目であれ各段階の“観測者が持つ虚構侵蝕に関する情報”は得られず、シナリオが終了した時点でこれらの情報を得られる。
覚醒した時点では[未使用のイデア]は0点のため、[手札]は得られない。ただし、[歪み]の効果は受けるため、すでに発生している[歪み]の効果をすべて受けた結果、[手札]を得ることはある。
覚醒した時点では[しがらみ]を持っていない。つまり、[虚構の収束]には参加できるが、[侵蝕度]の減少のダイスは振れない点に注意すること。
追加先:セッションの進行
この[メカニクス]は、[余暇]を経ることなく短期間でキャラクターを成長させるために追加できる。
キャラクターが虚構侵蝕に巻き込まれることで、まれに虚構がイデアに干渉することがある。その結果、キャラクターは急激な変化や成長を遂げるのだ。
虚構の干渉を受ける部分の多くは、キャラクターがいまだに実現していない夢や理想(つまり[未使用のイデア])の部分である。
この[メカニクス]を用いることで[余暇]が発生せずとも「増加するイデアの算出」のあとに「キャラクターの成長」を行なうことができる。
なお、[余暇]が発生する場合は[急成長]を行なうことはできない。
シナリオ作者やGMが望むならば、シナリオ中に発生するイベントとして[急成長]の処理を行なえることにしてもよい。
虚構干渉表(1D10/ROC) | |
---|---|
出目 | 解説 |
1・2 | 虚構世界の出来事が及ぼす現実世界への影響に、強い印象を受けた。 効果:「しがらみ決定表」を振り、[しがらみ]をひとつ取得する。 |
3・4 | 虚構の干渉により、急激に才能が開花した。 効果:今回の[急成長]で行なう「能力値の成長」では、使用できる[イデア]は(2点ではなく)4点となる。 |
5・6 | 虚構の干渉により、技術や知識が記憶に入り込んできた。 効果:今回の[急成長]で行なう「技能の取得」では、使用できる[イデア]は(3点ではなく)6点となる。 |
7・8 | 虚構の干渉により、自身がより虚構の存在へと近づいていくのを感じた。 効果:今回の[急成長]で行なう「フィクションパワーの取得」では、2種類までフィクションパワーを取得できる。 |
9・10 | 虚構の干渉により、自身の存在が曖昧になっていくのを感じた。 効果:取得済みの技能およびフィクションパワーを任意の数だけ未取得にし、使用していたイデアを未使用にする。 |
選択 | GMと相談してイベントの内容を決定すること。 |
追加先:セッションの進行
この[メカニクス]は、シナリオにおいて虚構侵蝕の影響で世界に存在しなかったことにされた所持品やフィクションパワーなどを設定するために追加できる。
[禁止領域]はシナリオで発生する[虚構侵蝕]に適用する。
シナリオ内で使用されると都合が悪いデータを取得しているキャラクターがシナリオに参加していたとしても、[禁止領域]内ではそれらを使用することも効果を受けることもできなくなる。
一方で、禁止されたデータを取得していたキャラクターが一方的に損をするわけではなく、その対価として恩恵を得ることになる。
[禁止領域]では1種類以上のデータ(所持品、フィクションパワー、虚構体特性、フォロワー、アーティファクト)を禁止―つまり、存在しなかったことにできる。
禁止されたデータを取得しているキャラクターは、[禁止領域]に入った時点でそのデータを一時的に失う。
【社会値】で取得した(「価格」が設定されている)データを失った場合、代わりに失った所持品の「価格」の合計に等しい「価格」の〔ポケットマネー〕を取得する。
[禁止領域]の外に出た時点で取得した〔ポケットマネー〕を失い、禁止されていた所持品をすべて取り戻す。いったん[禁止領域]から出たあと、ふたたび同じ[禁止領域]に入ると〔ポケットマネー〕をふたたび取得するが、使用回数は回復しない。
[イデア]で取得したデータを失った場合、非観測者・観測者で処理が異なる。
非観測者であれば、[イデア]が「失ったデータで使用していたイデアの合計」に等しい値だけ一時的に減少する。観測者であれば、失ったフィクションパワーなどデータに使用した「イデア」の合計だけ[未使用のイデア]が一時的に増え、増加後の[未使用のイデア]をもとにフィクションカードの枚数を計算する。シナリオの途中で[禁止領域]に入った場合、その時点で不足ぶんの枚数だけ引いて[手札]に加える。
[禁止領域]の外に出た時点で、失っていたデータをすべて取り戻す。いったん[禁止領域]から出たあとふたたび同じ[禁止領域]に入っても、フィクションカードを引くことはできない。
追加先:キャラクター作成
この[メカニクス]は、キャラクターが心身に何らかのハンデキャップを負っていることによる能力値の修正を行なうために追加できる。
この[メカニクス]は『書籍版ルールブック』に掲載されている。
追加先:キャラクター作成
この[メカニクス]は、キャラクター作成においてより強いキャラクターを作成するために追加できる。
この[メカニクス]は『書籍版ルールブック』に掲載されている。
追加先:データのルール
この[メカニクス]は、所持品をシナリオ中に扱うためのルール拡張を行なうために追加できる。
この[メカニクス]は『書籍版ルールブック』に掲載されている。
追加先:データのルール
この[メカニクス]は、観測者たちが虚構侵蝕に立ち向かうための隠れ家を設定するために追加できる。
この[メカニクス]は『リアリティライン』に掲載されている。
追加先:判定のルール
この[メカニクス]は、判定のルールを拡張するために追加できる。
この[メカニクス]は『ミスプレミス』に掲載されている。
追加先:判定のルール
この[メカニクス]は、複雑な行為を段階的に処理するために追加できる。
この[メカニクス]は『書籍版ルールブック』に掲載されている。
追加先:虚構侵蝕
この[メカニクス]は、虚構侵蝕の影響で変化した世界に特別な法則を組み込むために追加できる。
この[メカニクス]は『書籍版ルールブック』に掲載されている。
追加先:虚構侵蝕
この[メカニクス]は、「歪み表」の項目を差し替えたり、独自に作成したりするために追加できる。
この[メカニクス]は『フィクションオブセッションⅠ』に掲載されている。
追加先:アクションシーン
この[メカニクス]は、アクションシーンを処理する方法として[戦術モード]を選択するために追加できる。
この[メカニクス]は『書籍版ルールブック』に掲載されている。
追加先:アクションシーン
この[メカニクス]は、PC同士での戦闘行為を行なうために追加できる。
この[メカニクス]は『書籍版ルールブック』に掲載されている。
追加先:アクションシーン
この[メカニクス]は、アクションシーンにおける戦闘のルールを拡張するために追加できる。
この[メカニクス]は『リアリティライン』に掲載されている。
追加先:ダメージと状態
この[メカニクス]は、所持品をシナリオ中に扱うためのルール拡張を行なうために追加できる。
この[メカニクス]は『書籍版ルールブック』に掲載されている。
追加先:セッションの進行
この[メカニクス]は、シナリオ内で発生するイベントをランダムに決定するために追加できる。
この[メカニクス]は『フィクションオブセッションⅠ』に掲載されている。
追加先:判定のルール、フィクションカード、虚構侵蝕、セッションの進行
この[メカニクス]は、周囲の環境を細かく表わすために追加できる。
この[メカニクス]は『フィクションオブセッションⅠ』に掲載されている。