ルールブック
ルールセクション
ワールドセクション:アニメ
ワールドセクション:神話
『虚構侵蝕TRPG』を遊ぶ際の、ゲームの一連の流れをセッションと呼ぶ。
セッションを成功させるためにも、参加者全員が協力して準備やプレイを行なうこと。
まずは、セッションを行なうための準備をする必要がある。セッションの当日を迎える前に以下の準備を行なうこと。
GMは、セッションを進行するためにルールを把握する必要がある。そのため、事前にルールブック(本書のこと)を読み、内容を理解しておくこと。
また、セッションに参加するプレイヤーも、手元にルールブックがあるならば事前にルールブックを読み、内容を理解しておくと、セッションの進行をよりスムーズに行なえるだろう。
もちろん、すべてのルールを暗記する必要はない。ルールの概要は把握しつつ、いつでも本書を参照できるように必要なルールが書いてある箇所を把握しておく程度でよい。
セッションを行なううえで、当日に遊ぶシナリオを準備する必要がある。
シナリオは、本書に付属しているシナリオや公式または有志で提供されているシナリオを使用するか、GMが独自で作成したシナリオを使用してほしい。
セッションの当日を迎える前にあらかじめPCを作成する場合は、この時点で行なう。 特に、「じっくり作成」でPCを作成する場合は作成に時間がかかるため、可能であれば事前にレギュレーションに沿って作成しておくことを推奨する。
このとき、参加者同士でダイスの結果を確認できない環境でPCを作成する場合、ダイスロールの結果のみで決定できるデータについては当日にダイスを振って決定してもよい。
セッションを行なうためには、遊ぶための環境を用意する必要がある。参加者全員で協力して必要な環境を整えること。
オフラインセッションを行なう場合、参加者全員が集まることのできる会場を用意する必要がある。
参加者の中に会場として自宅を提供してくれる人がいるならば、使わせてもらうのもよいだろう。
そうでなければ、公共施設や店舗で貸し出している会議室や、ゲームショップなどのプレイスペースを借りて会場として使わせてもらうことになる。
いずれにせよ、家主や施設・店舗におけるルールや注意事項を守って利用すること。
オンラインセッションを行なう場合、テキストチャットやボイスチャットを行なえるツールや、TRPGをオンラインで遊ぶために開発されたセッションツールなど、オンラインセッションで使用するツールを選定し、参加者全員が使用できるように準備を整える必要がある。
こうした各種ツールの使用方法や環境の整え方については、ツールの提供元を確認したうえで、参加者全員で情報を共有するとよい。セッションの当日を迎えるまでに環境を整えておけば、当日はスムーズにセッションを進行することができる。
セッションを行なううえで使用するイラストや図版などの画像は、必要なぶんだけ準備すればよい。
これらの資料は、無理をして準備しなくてもセッションを行なうことはできる。しかし、イラストや図版などの画像資料は、参加者同士の情報共有や視覚的なアプローチでの理解を深めるために役立つ。
より質の高いセッションを目指すならば、こうした資料の用意を検討してみてもよいだろう。
ただし、資料は提供元が使用を許諾しているもののみを使用すること。もちろん、自身がセッションで使用する目的で作成した資料であれば、なんの制約もなく使用できる。
『虚構侵蝕TRPG』を遊ぶにあたって、著作者の権利を侵害するような行為は絶対にしないように注意すること。
ルールブックに記載されているチャートやルールサマリーなどの資料は、複製の許可されているページのみプリントアウトして使用できる。
また、公式サイトで提供されている資料はすべて使用してよいものとする。ただし、内容の改ざんや提供元を明らかにせずに二次配布を行なってはならない。
キャラクターの外見が分かるようなイラストがあれば、ほかの参加者が抱くキャラクターのイメージをより具体化できる。
具体的な場所を説明・共有するために地図や屋内の間取り図などの図版を用意すれば、参加者全員で情報を共有できる。
シナリオにおける場面に合致した楽曲をBGM(バック・グラウンド・ミュージック)として流すことで、場面の雰囲気を盛り上げることができる。
オンラインのTRPGセッションツールであれば、BGMを手軽に流せるうえに、各参加者で音量の調整を行なうことも容易であるため、とても有効な手段と言える。
一方で、オフラインセッションの場合は、BGMを再生するための機器が必要になるうえに音量の調整を参加者の個別で行なえない。また、会場や周囲の環境の都合でBGMを流せない場合もある。
オフラインセッションでBGMを使用したい場合には事前の確認や注意が必要だ。
オンラインのTRPGセッションツールを使用する場合、背景の画像を用意することで場面の雰囲気を効果的に表現することができる。
セッションの当日に準備が必要なものは、オフラインセッションとオンラインセッションで異なる。
オフラインセッションを行なう際は、以下の準備を行なうこと。
GMはプレイヤーの席の配置を自由に決定・指示することができる。GMは基本的に上座かプレイヤー全員を見渡しやすい席に座り、それ以外の席にプレイヤーが座るようにするとよい。
プレイヤーはGMの指示に従って席に着くこと。
参加者全員は、4面体、6面体、8面体、10面体、12面体、20面体のダイスのうち、自身が判定に使用する種類のダイスを用意する。
最低でも各1個ずつ用意すればプレイは可能だが、各3個程度あるとプレイしやすい。
用意しているダイスの個数が、判定のダイスロールで振るダイスの数に満たない場合は、1回ダイスを振った後に出目を覚えておき、新たにダイスを振ることを繰り返し、合計で必要な個数になるまで振ること。
フィクションカードのためのトランプを1セット(54枚)用意する。
参加者のいずれかが準備すればよいが、誰が用意するかを事前に話し合えない場合はGMが用意すること。
セッションで行なうシナリオのアクションシーンにおいて、参加者となるキャラクターを表わすコマを使用する。キャラクターの識別ができるものであれば、プレイヤーやGMの好きなコマを使用してよい。ゲームショップなどで販売している色付きのポーンでも、大きすぎなければフィギュアでもよいだろう。
ただし、ダイスは判定に使うダイスと見分けがつかなくなる可能性があるため、コマとしては使用しないこと。
なお、シナリオのアクションシーンを[演出モード]のみで行なう場合は、コマの準備をしなくてよい。
事前の準備で各プレイヤーがPCを事前に作成している場合は、各プレイヤーは作成済みの観測者シートを準備する。
セッションの当日にキャラクター作成を行なう場合は、各プレイヤーに観測者シートを1枚ずつ配布すること。また、シナリオにおける虚構侵蝕のルールに関する管理を行なう「虚構侵蝕シート」を用意する。
オンラインセッションを行なう際は、以下の準備を行なうこと。
セッションで使用するテキストチャットやボイスチャットを参加者同士で共有して、オンラインでコミュニケーションが取れるように準備する。
セッションで使用するTRPGセッションツールを参加者同士で共有して、いつでも使用できるように準備する。このタイミングでPCの駒に使用するイラストも、いつでも使用できるように準備しておくとよい。
ダイスやトランプについては、TRPGセッションツールに実装されているダイスツールやトランプツールを使用すれば問題なくプレイできる。
オフラインセッション、オンラインセッションのどちらの場合でも、以下の準備を行なう。
GMはセッションで遊ぶシナリオのレギュレーションを提示する。プレイヤーは提示されたレギュレーションに従って以降のセッションを進行する。
「事前の準備」の時点でレギュレーションの提示が必要な場合は、その時点であらかじめレギュレーションを提示してよい。
プレイヤーはそれぞれ1回のPCを作成する。
GMは「かんたん作成」「じっくり作成」のうち、どちらの方法で作成するかを告げ、プレイヤーは指定された方法で作成すること。
当日にじっくり作成でPCを作成する場合は、作成するプレイヤーがルールブックを所持しており、かつ十分に時間が取れる状況で行なうことを推奨する。
持ち込んだキャラクターがこれから遊ぶシナリオのレギュレーションに合致していない場合、GMの指示のもとキャラクターデータの調整を行なう必要がある。
調整したキャラクターデータは、シナリオの終了後に調整前に戻したあと、シナリオで獲得した[イデア]を得ること。
プレイヤーは作成したPCの自己紹介を行なう。
PCの[年齢][性別][スタンス][しがらみ][キャラクター名]といったパーソナリティと、どんな活躍ができるデータかを簡単に紹介すること。
簡単な紹介項目を用意したり、参加者同士で質問などをしたりすることで、自己紹介を円滑に進める工夫をしてもよいだろう。
シナリオに設定されているレギュレーションの各項目について解説する。
シナリオが何人のPCまで対応できるかを表わしている。
シナリオを遊ぶためにかかる、おおよその時間を表わす。
シナリオをプレイする際の雰囲気の指針としてジャンルが設定されている。
シナリオのジャンル | |
---|---|
ジャンル | 内容 |
アクション | ・シナリオ進行、もしくは解決策においてアクションシーンに重きを置くもの。 ・プレイヤーが爽快な気分になるような内容のもの。 |
コメディ | ・シナリオの舞台や解決策、登場NPCにユーモアがあるもの。 ・プレイヤーが思わず笑ってしまうような内容のもの。 |
スリラー | ・能力や判定で解決できない脅威や不安を設定しているもの。 ・プレイヤーキャラクターが恐怖を感じるような内容のもの。 |
ドラマ | ・人間関係を主軸に物語を構成しているもの。 ・プレイヤーが思わず感動してしまうような内容のもの。 |
任意 | シナリオ作者が独自にジャンルを設定している場合がある。その場合、詳細はシナリオを参照してほしい。 |
PCの強さ([イデア]の高さ)に対して、シナリオの相対的な難しさを表わす値が設定されている。[適正イデア]は、使用するPCの「[イデア]の平均値」に対応しており、この値が[適正イデア]と同値であれば通常の難しさになる。そして、[適正イデア]よりも平均値が高い場合は相対的に簡単になり、[適正イデア]よりも低い場合は相対的に難しくなる。GMは「適正イデア」が[イデア]の平均値から±15以上のシナリオに挑ませることもできるが、その場合は、クリアすることが極めて困難(+)あるいは容易(-)になるだろう。
適正イデアによる難しさ(目安) | |
---|---|
難しさ | 適正イデア |
至易 | PCの[イデア]の平均値-10~14 |
簡単 | PCの[イデア]の平均値-5~9 |
普通 | PCの[イデア]の平均値±0~4 |
困難 | PCの[イデア]の平均値+5~9 |
至難 | PCの[イデア]の平均値+10~14 |
シナリオに[メカニクス]を使用している場合は、使用する[メカニクス]が明記されている。
上記以外の特殊なレギュレーションがあれば、それが明記されている。
シナリオにおける考察の必要性や難しさを表わす指標を[考察難度]と呼ぶ。
[考察難度]は、シナリオクリアに必要な部分において、プレイヤー(キャラクターではない)がどれほど考察しなければならないかを示す基準である。
ここで述べる“考察”とは、“物事を明らかにするためによく考え調べること”を表わす。
[考察難度]をレギュレーションに明記することで、シナリオ製作者、GM、プレイヤーの“考察の必要性や難しさ”に対する認識のズレを減らすことができる。結果として、GMとプレイヤーが事前に“ どのように遊ぶか” を想定しやすくなる。
例:おもに演技を楽しみたいプレイヤーが、演技する余地がないほど複雑な謎解きが設定されたシナリオを事前に察知できる。
また、GMによる事前シナリオ説明の手間を減らすことができるだけでなく、シナリオ作者が独自に作成したシナリオの“考察の難しさに対する判断材料”として使用することもできる。
例:「ミステリーではないが、プレイヤーが推測し答えを出さなければいけないシナリオ」といった説明をジャンルと[考察難度]の組み合わせだけで表現できる。
[考察難度]は下表「考察難度レベル」にある5段階の“レベル”と“+”で構成されている。
考察難度レベル | ||
---|---|---|
レベル | 詳細 | 例 |
0 | 最適なシナリオクリアのために考察要素が設定されていない。 | 戦闘で敵を倒す。チェイスに勝利する。 |
1 | 最適なシナリオクリアのために考察要素が設定されているが、判定がその代用になる。 | 複数人物の中から虚構核を特定しなくてはならないが、推理するか〈機知〉判定に[成功]することで特定できる。 |
2 | 最適なシナリオクリアのために考察要素が設定されているが、判定に[成功]することで直接的なヒントを得られる。 | 複数人物の中からナイフで他者を傷つけた虚構核を特定しなくてはならないが、〈探知〉判定に[成功]することで、衣服に血が付いている人物を見つけることができる。 |
3 | 最適なシナリオクリアのために考察要素が設定されているが、判定に[成功]することで間接的ヒントを得られる。 | 複数人物の中からナイフで他者を傷つけた虚構核を特定しなくてはならないが、通行人相手に〈社交〉判定を[成功]させることで、「現場近くで服に血が付いている人物を見た」という主婦の存在が判明する。 |
4 | 最適なシナリオクリアのために考察要素が設定されているが、入手した情報から“どの情報が考察のためのヒントなのか”を推理しなくてはならない。 | 殺人犯と探偵のどちらかが虚構核という状況で、殺人犯は経験したことがない状況に興奮しており、探偵は自分が活躍できることを嬉しく思っている。 この場合、殺人犯が希望していた世界というよりは、探偵が望んでいた世界であるように思えるため、“探偵が虚構核である”と推理する。 |
+ | レベル1 ~ 4 において、最適なクリア条件をシナリオに設定していない、または等価値なクリア条件が複数用意されており、PCの判断に任せられている。 ※各レベルの数字の後ろに“+”と記載 |
ヒロインを犠牲にして街を救うか、街を犠牲にしてヒロインを救うか。 |
当日の準備が完了したら、いよいよシナリオのプレイに入る。シナリオは基本的に[イベント]と呼ばれるシナリオ進行単位の連続によって構成される。
シナリオにおいて、PCに何らかの働きかけを行なう要素を“イベント”と呼ぶ。
シナリオの演出やルール的な処理はすべてイベントの中で行なうものとする。
何らかの場所や景色などとともに、そこで発生する出来事が描写される。これは、PCの視点であっても、NPCの視点であってもよい。
PC視点の場合は、イベントが発生する場所にPCがいなければならないが、NPC視点あるいは情景描写のイベントは必ずしもPCがいる必要はない。
PCがイベントの中で何らかの行動を自発的に宣言するか、イベントによって行動を要求される場合は、然るべきルールで処理を行なう。
シナリオにおけるルール的な処理を行なうための追加ルールであるメカニクスを、必要に応じて自由に使用できる。
詳細は各メカニクスを参照すること。
シナリオが終了した後の演出を行なう。
シナリオが終了した時点で[手札][山札][捨札]をすべて回収してリセットする。
PCは【HP】【装備HP】を最大値まで回復させる。
[しがらみ]を保持できる数を超えて取得している場合、すでにある[しがらみ]を任意に超えている数だけ選択して消去すること。
シナリオをクリアするとPCの[イデア]は増加する。増加した[イデア]は[未使用のイデア]となる。
どんな手段であれ、シナリオで発生した[虚構侵蝕]を元に戻すことができたならば、シナリオに参加したPCの[イデア]が「適正イデア÷10」点増加する。
シナリオに[特殊条件]が設定されている場合、[虚構侵蝕]を元に戻したうえで[特殊条件]を達成することで、[特殊条件]に設定されている値だけ参加したPCの[イデア]が増加する。
プレイヤーの感想や、PCが遭遇した[虚構侵蝕]に関することなどをSNSに書き込む。GMがプレイヤーのSNSへの書き込みを確認した時点で、書き込んだプレイヤーのPCの[イデア]が1点増加する。
ただし、1人のPCが「SNSに書き込む」ことによって[イデア]を得られるのは、セッションにつき1回までとなる。また、複数回の書き込みをしたとしても増加する[イデア]に変化はない。
イデアの算出表 | |
---|---|
内容 | イデアの増加 |
[虚構侵蝕]を元に戻した | 「適正イデア÷10」点 |
[特殊条件]を達成した | 1点~(各[特殊条件]を参照) |
SNSで発信した | 1点 |
単独のシナリオを遊ぶ場合や、連続したシナリオにおいてシナリオ終了後から次に行なうシナリオまでに(ゲーム内で)30日程度の時間が経過する場合は、[余暇]の処理を行なう。
オフラインセッションであれば、使用した会場の片付けを行なう。次回以降も気持ちよく会場を利用するために、しっかりと行なうこと。
オンラインセッションであれば、使用したツールの事後整理などが必要であれば行なう。